関東では気温が上がって、
出かけに着ていたアウターを手に持つ、午前10時。
以前より気になっていた美術展へ。
東京駅構内にある
東京ステーションギャラリー
『世界の果て』展へ。
開場と共に入る。
・・・・・図録 P76
タピオ・ヴィルカラ 造形と素材の名手 ヘンナ・パウヌ ・・・・・
タピオ・ヴィルカラ(1915-1985)は国際的に活躍したフィンランドのデザイナー、アーティストであり、ガラス、木、金属による名作の数々で知られている。
さらに銀、磁器、照明、紙幣、切手、プーッコ(フィンランド語でナイフの意)、テキスタイルまで手がけた。
彼は芸術性と実用性を両立させる非凡な才能を発揮し、作品には伝統工芸の技とモダンデザインを融合させた特徴もみられる。
(中略)
そしてフィンランドのガラス製造所イッタラのためにデザインした
花瓶《カンタレッリ》や《ウルティマ・ツーレ》シリーズなどのガラス製品は今もなお生産が続けられている。
タピオ・ヴィルカラ『世界の果て』より引用・・・
ヴィルカラが45歳の時、
フィンランド最北のラップランドという地に移住することになった。
湖畔の見える大自然の中、創作活動に励む。
それまで住んでいた都会から、一転。
手つかずの自然に囲まれた場所に。
大自然の中での彼の創作は
単なる使う物、としてではなく
曲線が印象的な造形美、自然との融合したデザイン、妻ルートと訪れたベネチアの美しいカラフルかつシックな色彩。
イマジネーションの原動力。
この大自然に移住しなければ、存在しなかったものかもしれない。
『ウンティマ・ツーレ』
ラテン語で
世界の最北という意味。
彼が残したものは
美しい作品たちだけではない。
情報過多なこの時代に、
あえて何もない。頭を空っぽにして本質的な物を見極める。
そんなメッセージを感じた。
とにかく作品の数々、多種多様な物で溢れかえっている。
当初、正直それほど期待はしておらず
北欧デザインのもの?くらいにしか思っていなかった。
いい意味で大きく裏切られた。
実際に使う人の気持ちに立って考え抜かれたデザイン。
何時間でも眺めていたくなる、美しいガラスの作品群。
微笑ましく柔らかい人柄が伝わってくるオブジェ。
どれもこれも手が届きそうな親近感がある。
北欧雑貨や食器好きにはヨダレが止まらない事だろう。
暮らしの中心となる雑貨たち。
いい物を見る目を養いたい方はぜひ!
東京駅構内でもある、建物内は
煉瓦作りの螺旋階段で雰囲気がいい。
最後に立ち寄った
ミュージアムショップには
ヴィルカラの図録はじめポストカード、
キーホルダーなども販売していた。
イッタラの製品も。
お出かけ日和にぴったり。
日常のセカセカした心に、ゆとりが持てる。
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タピオ・ヴィルカラ
『世界の果て』
東京ステーションギャラリー
2025年4月5日〜6月15日
月曜定休日
10:00〜18:00 閉館30分前までに入場(金曜は20時まで)
他の
会期・会場・主催
市立伊丹ミュージアム
2025年8月1日〜10月13日
岐阜県現代陶芸美術館
2025年10月25日〜2026年1月12日