日曜日は片付けの手を休めて
ドラマ『北の国から』を。
今回は第9話。
静かな展開ながら、グッとくるシーンがいくつかあった。
ドラマシリーズを見るのは今回3回目だが、
子どもを産み育てて初めてこのドラマを観た。
全く違う角度からの、特に“母目線”での想いに胸を打たれた。
時は1/5 子どもたちは草太に連れられて、スキーに行く。
ちょうどその時、母・令子(いしだあゆみ)が富良野の地を訪れる。
突然訪れた令子に、五郎は驚きを隠せないまま自宅に迎え入れる。
令子は子どもたちに会いたがっていた。
五郎に打診するも、首を縦にふらない。
令子の懇願した様子に、五郎は静かに令子に告げる。
富良野に来て3ヶ月、慣れない環境に身を置きながらも
必死で子ども達も順応してきた。
母と再会することはこれまでやってきたことが「壊れる」
という理由で断る。
「せめて遠くから見るだけでも」母の必死の願い。
五郎との約束通り、
中畑の車の中から遠く離れた純と蛍を見つめる令子。
令子の涙ぐみながら子どもたちを見つめる切ない表情に、
こちらも涙が止まらない。
母になったからこそ、強く共感できたシーンだ。
もう一人、令子と同じ、母として悲しい想いを秘めている人物がいた。
正吉の母・笠松みどり(林美智子)だ。
水商売をしているみどりは、年末に富良野に帰ってきた。
同級生の五郎とも仲が良く、久しぶりに訪れた五郎の自宅でのこと。
逃げられた夫がいても「いいんでないかい〜」
あっけらかんとした雰囲気を放っている。
しかし、子どもに対し母として不甲斐ない自分を責めるシーンもある。
そんな時、
令子が隠れて子ども達を見ていた事を知った、草太が五郎宅に怒鳴り込んできた。
子ども達に母が来たことを知らせないなんて!
かけがえのない母親に会わせないなんて。
と五郎を責める。
その時、みどりが口を開く。
「知ったこと言うんでないョ。
だけどねェ、人にはそれぞれ自分の理屈にならない気持ちだってあるんだァ。
それを知らないでガタガタ他人が心の中まで踏み込むんでないヨ!」
草太が振り返るとそこには純と蛍が玄関に立っていた。
さらには純も蛍も母が来たことを知っていたのだ。
みどりにも、五郎にも、令子にも。
みんなそれぞれ抱える事情があって、それでも精一杯生きている。
令子の背景は詳しくはドラマの中では伝えられていないが、
どんな母親だって、子どもを愛して成長を見守りたい。
けれど、できないこともある。
令子が蛍のパジャマに顔を埋めるシーンは胸が張り裂けそうだ。
母の匂い、母が来たことに気がつくも、気丈に振る舞う蛍。
純もまた、母からもらったラジオを心の中では嬉しく思う一方で、
父の風力発電の「これから」を優先して、ラジオ=母なんか気にしていない素振りをする。
うう、、切ない。。
それぞれ抱えるものはあっても、
それでも逞しく生きていくのだ。
弱音なんか吐いている場合じゃない。