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2025.06.15ドラマ【北の国から】第9話レビュー/母の愛

 

日曜日は片付けの手を休めて

ドラマ『北の国からを。

 

 

今回は第9話。

 

静かな展開ながら、グッとくるシーンがいくつかあった。

 

ドラマシリーズを見るのは今回3回目だが、

子どもを産み育てて初めてこのドラマを観た。

全く違う角度からの、特に“母目線”での想いに胸を打たれた。

 

 

 

 

1 名シーン 子ども達を見つめる令子

 

時は1/5 子どもたちは草太に連れられて、スキーに行く。

ちょうどその時、母・令子(いしだあゆみ)が富良野の地を訪れる。

突然訪れた令子に、五郎は驚きを隠せないまま自宅に迎え入れる。

 

令子は子どもたちに会いたがっていた。

五郎に打診するも、首を縦にふらない。

令子の懇願した様子に、五郎は静かに令子に告げる。

 

富良野に来て3ヶ月、慣れない環境に身を置きながらも

必死で子ども達も順応してきた。

母と再会することはこれまでやってきたことが「壊れる」

という理由で断る。

 

 

「せめて遠くから見るだけでも」母の必死の願い。

五郎との約束通り、

中畑の車の中から遠く離れた純と蛍を見つめる令子。

 

令子の涙ぐみながら子どもたちを見つめる切ない表情に、

こちらも涙が止まらない。

母になったからこそ、強く共感できたシーンだ。

 

 

 

 

2 正吉の母・みどりの存在

 

もう一人、令子と同じ、母として悲しい想いを秘めている人物がいた。

正吉の母・笠松みどり(林美智子)だ。

 

水商売をしているみどりは、年末に富良野に帰ってきた。

 

同級生の五郎とも仲が良く、久しぶりに訪れた五郎の自宅でのこと。

逃げられた夫がいても「いいんでないかい〜」

あっけらかんとした雰囲気を放っている。

しかし、子どもに対し母として不甲斐ない自分を責めるシーンもある。

 

 

そんな時、

令子が隠れて子ども達を見ていた事を知った、草太が五郎宅に怒鳴り込んできた。

 

子ども達に母が来たことを知らせないなんて!

かけがえのない母親に会わせないなんて。

と五郎を責める。

 

 

その時、みどりが口を開く。

 

「知ったこと言うんでないョ。

だけどねェ、人にはそれぞれ自分の理屈にならない気持ちだってあるんだァ。

それを知らないでガタガタ他人が心の中まで踏み込むんでないヨ!」

 

 

草太が振り返るとそこには純と蛍が玄関に立っていた。

さらには純も蛍も母が来たことを知っていたのだ。

 

 

 

 

3 それぞれの抱える事情

 

みどりにも、五郎にも、令子にも。

みんなそれぞれ抱える事情があって、それでも精一杯生きている。

 

 

令子の背景は詳しくはドラマの中では伝えられていないが、

どんな母親だって、子どもを愛して成長を見守りたい。

けれど、できないこともある。

 

令子が蛍のパジャマに顔を埋めるシーンは胸が張り裂けそうだ。

 

母の匂い、母が来たことに気がつくも、気丈に振る舞う蛍。

純もまた、母からもらったラジオを心の中では嬉しく思う一方で、

父の風力発電の「これから」を優先して、ラジオ=母なんか気にしていない素振りをする。

 

うう、、切ない。。

 

 

それぞれ抱えるものはあっても、

それでも逞しく生きていくのだ。

 

弱音なんか吐いている場合じゃない。