
子供が思春期になると、
親のことを疎ましく思い、
「恥ずかしい」対象として冷ややかな目で見る。ものだ
先日、とある商業施設に、中2娘の推しアニメのコラボイベントに出向いた。
私の立場は単なる“添乗員”としての役目を全うするだけのものであった。
滞りなく現地に着くためにぬかりなく交通を調べ、時間を見計らう。
現地に着いたら着いたで荷物持ちから撮影のアシスト。
いくつかの展示物や参加するものにフォローをするのが私の役目だ。
彼女と同じ温度で楽しむことは、ほぼない。
それでいい。と思っている。
そんな中、そのイベントを開催している団体を
『Xでフォローして、自身で投稿するとポストカードがもらえる』という案内が掲示していた。
Xをやっていない娘に代わって、私がXをやることになったが。。
情報弱者でもある私はXをやっていない。
まずはXのアプリを入手することから始まった。
QRコードを読みとり
オタオタと太い指で操作しながらXを入手する。
次は投稿だ。
「どこ?」「あれ?」「これでいい?」
できているのかどうかも、わからない。
あまりに不器用すぎる母に
隣で娘が
「もういいよ」と呆れている。
挙げ句の果てには
「そんなにポストカード欲しくないし」とまで言ってきた。
そこでやめときゃいいものを、
幼稚な私は急に燃料が入った。
こうなれば意地でも手に入れてやる。
自分の目的を逸脱したのはこの頃からだった。
ポストカード一枚、どうしても手に入れたい私は、
泣き落とし?作戦で受付にいるスタッフ声をかけた。
「これって投稿できていますか?」「どうするのかしら?」と聞いてみた。
受付スタッフは訝しげな顔を浮かべながら、
「お客様のスマホですので触ることはできません」
の一点張り。
気にするそぶりは見せつつも「やらない」姿勢は崩さない。
過去にもこういった経験があったけれど
仮に親切なスタッフだったら
「ちょっと貸してもらってもいいですか?」と言って途中まで操作してくれる、
もしくは横についてイチから指示をする。
このくらい(知ってたら)やってくれてもいいじゃん。と少し期待を裏切られた。
まあ、でもこんなことはよくあること。
なんとか自力でXに投稿し、見事ポストカードを手に入れることができた。
問題はその後だ。
娘が私に言ってきた。
意気揚々とポストカードを娘に渡すも、娘の顔は冴えない。
「受付の人、ものすごい嫌そうな顔でママの事見ていたよ」
「これ、ママが欲しかったんでしょう。ママにあげる」
・・・・・なにを〜〜っ?!
「え?欲しいんじゃないの?」
「せっかく手に入れたのに」
先日も「子供のために」が一番危険な思考、と自分で書いたじゃないか。
「せっかく」も子供のためにならず。
もう忘れたのか。
どこかへ飛んで行った「娘のためを思って」思考は、また再発してしまった。
さらに娘が「ママのやることが恥ずかしい」と思われていることに、居心地の悪さを感じた。
恥ずかしさなんてもうとっくに捨てたわ。
ふんっ、そっちがその気なら、と急に矛先が娘に向けられた。
空気が悪くなり、このまま喧嘩別れになってしまうか?
その時娘が言った。
「ママに対するスタッフの態度、ひどいと思う」
ハッとした。
娘は“ダメダメな私”よりも“冷酷なスタッフ”に対して怒っていたのだ。
対しこちらは、娘が私にムカついているものかと“勘違い”していたのだ。
ウルッときた。
これでは
どちらが親でどちらが子か、わからないではないか。
目的を果たしたXは早々に解約し、会場を後にした。
恥ずかしい親だから、子供はまともに育つ。
そう言い聞かせるしかない。