
子供のためなら
暑い中ポケモンスタンプラリーの駅の階段の昇降だって
トミカ/プラレール博の大混雑の中の長い列だって。
『クレヨンしんちゃん』の映画を
中学生になってもなお、一緒に観に行くことだって。
厭わない。
親が親であり続けるうちは、すべて付き合うつもり。
現在中学2年生。一人で映画館に行ける年でもある。
けれど、楽しさを共有する相手が欲しいようだ。
同級生だと「誘えない」ので、
いつも一緒にテレビアニメを観ている母である私を誘った、と言うわけだ。
映画
『クレヨンしんちゃん
奇々怪々!
オラの妖怪バケーション』

舞台は秋田県大曲をベースに作った作品。
しんのすけの父・ひろしの実家の秋田に向かう野原一家。
銀の介爺さんの幼少期に出会った妖怪・やことの出会い。
かつては一緒に遊んだ仲だった。
野原家が人里離れた、おばけーしょん村に紛れ込み、
妖怪たち
九尾の狐のやこはじめ、豆狸のまめ太、唐傘の唐蔵、アマビエのピン子、たちと仲間になる。

妖怪のことは詳しくなくても、普段から私たちの日常に馴染みのある妖怪たち。
このストーリーの中では
いつしか
妖怪と人間の境界線ができて、人間界に妖怪と同居することはなくなってしまった。
以前は仲が良かったはず、なのに。
映画館では上映二日目の土曜日、とあって
昨日は小さなお子さんを連れたファミリー層が多かったが、
案外20代〜30代の若者ファンがいる。以前から何度か足を運んでいる映画館に行って思ったことだ。
大人も子供も、いや全世代、泣ける映画なのだ。
最後の、母・みさえを妖怪から人間に助けるシーンは泣ける。
アニメでは珍しくファミリーものの作品の中で、
クレしんのヒットを続けるロングランの意味がここにあると思う。
毎回、野原家がチームになり、悪を退治する。
悪と言っても「根っからの悪」ではなく、悪になってしまった経緯も丁寧に描かれている。
おばけーしょん村で知り合った、「江戸前スッシーズ」との野球の対戦での一幕は見応えがあった。
特に、お笑いコンビ・マユリカの中谷氏のカレイ役。
「こんないい声だったの?!」と驚いた。
存在感、持っていってしまった感さえある。
また、最初の方のシーンで
銀の介とひろしとしんのすけの男三世代が、
山を見ながら縁側でスイカを食べるシーンは一見の価値あり。

緑豊かな大地に、じいちゃん家、縁側、スイカ、セミの鳴き声。
誰もが経験したであろう
「これぞ夏休み!」の原風景として、大人世代にはグッと心を鷲掴みにされること間違い無い。
過去と現在を親子3代という、クレしんならではの普遍的テーマで
今回もまた見事に表現した作品だと思う。
銀の介爺さんとやこの関係を
一緒にキャッチボールした思い出を
しんのすけが「繋いでいる」。
やこが渡し忘れたボールを爺さんに渡す、しんのすけ。
世代を時代を超えても、変わらないものがある。
親が親であること。
子が子であること。
いつしか終わりは来る、
子育てありきの夏休みの思い出として。