
1週間前、義母が急逝した。
83歳だった。
前日まで夫(義父)と二人で晩酌をし、
次の日には遠方から娘(義妹)が母の顔を見るために朝からやってきた。
朝の弱い母を気遣い、起こさないでいたが
なかなか起きない母の様子を見に行ったところ
ベッドと家具に挟まれるように亡くなっていた、とのことだ。
訃報を聞いたのはその日の夕方、だった。
夫から
「大変なことになった」「母ちゃんが死んでしまった」
信じられなかった。あまりに急すぎるだろう。
ここ半年の間に、盲腸で入院したり、
認知症の進行や他の病気の発見があり
体や頭が思うように動かなくなった。
買い物中に転んでしまい、よその方から助けていたたことも何回かある。
いよいよ本格的な介護が必要か。
自宅玄関にあった杖は車椅子に変わり
夫婦一緒に入れる施設も探そうか。
そんな矢先だった。
なにしろ強運な義母と思う。
第一発見者の義妹も
ここ最近に義母が心配で月に一回訪問していた。
しかもその前の週は台風が来ていて、“その日”に延期になった。
徐々に悪くなる身体。
病気の併発もあったので
いずれ寝たきりになることも覚悟はしていた。
これまで全く家事をしてこなかった義父は
舵を振り切り、妻をサポートすることに徹した。
食事は作らないまでも、買い物や妻の薬の管理など。
家族水入らずで会う回数が増えたのもここ最近。
義母だけでなく、
夫や娘、家族の意識までも変わってきた。
これは義母が亡くなる日まで“準備”していたのだと思わずにいられない。
まだある。
前日には、美容院で何ヶ月ぶりのヘアカラーとカットを施し
「綺麗になったね」と周りから褒められたのだから。
葬儀も今週に終わり、義母の希望であろう、
家族だけの、僧侶を呼ばない、素朴でありながら暖かいお別れになった。
義母が愛してやまない6人の孫たちに囲まれ、
幸せそうな顔で旅立った。
ただ一つだけ、
天国の義母に心のこりがあるはずだ。
義母の死後、
義父が遺影を探していたのだが
ダイニングにある適当に選んだマイナンバーカードで使用していた証明写真を使ってしまった。
これは生前義母が息子(夫)に
「この顔、嫌なのよね〜」
と愚痴っていた。
笑顔も無く残念な顔。
その顔を使うとは。
当然、義母の希望では無いはずだ。
義父らしいと言えば義父らしい。
天国から義母は「あちゃー」と言っているはず。
夫は昨夜、義母の写真を過去に遡り
遺影を探して作り直す事を決めた。
その写真は
私の産後、産院で撮った
小さな孫を抱っこした優しく美しい笑顔だ。
良かったね。義母さん。
ほうらね。
義母は強運だ。
こんなに周りが助けてくれるんだもの。
合掌。