
グイグイと、来れば来るほど、引く。
私だけではないはずだ。
歳を重ねるごとにそれは強くなり
人に巻き込まれることも、他と同調すること、愛想笑いでやり過ごすこと
それらと距離を置くことを次第に覚える。
しまいには
「友達なんていなくてもいい」
突っ張って生きている。
これが大人になることだと思っていた。
高く分厚い壁、を作っていないだろうか?
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『あたらしいともだち』
かわじろう 著
マガジンハウス
・・・・・・
漫画で短編なので、あっという間に読める。
時間にして190ページの本書を30分くらいで読めた。
ただ、この本の「おそろしさ」は
読んだ直後ではなく、
時間経過とともに染み込んでいく。
シンプルなタッチ。
これがこの本の最大の魅力である、と私は思う。
余計なものは一切ない。
二人(ときに一羽)の登場人物を中心としたストーリーで展開していく。
ここに他の背景や人物や描写など、無駄なものは一切排除されている。
これは意図的なのか?
だとしたら奇才だ。
あえての“ヘタウマな漫画”が、人の心に残ってしまうのだから。
この絵にとても魅力を感じる。大好き。
噛めば噛むほど、のスルメに似ている。
なんと言っても
全体の印象が
「押し付けがましくない」
これに尽きる。
おそらく、作者のかわじろう氏もそんな方だろうと推測する。
でなければ、こんなストーリーは描けないだろう。
押し付けがましくないけれど
あたらしいともだち、は
突然で、すこしお節介に、時に強烈な印象で
主人公たちの元に現れる。
困惑する主人公たち。
だって、
これまで他人に対して高く分厚い壁を作って生きてきたのだから。
とりわけ好きなストーリーがある。
#4 「正三と九太郎」・・・
毎朝、仏前で亡くなった妻・よしちゃんに声をかける主人公・正三。
そこに離れた場所に住む、娘ミカから
突然「韓国旅行に行くから(飼っている)インコを預かって」と頼まれる。
過去のトラウマ?もあり
正三は動物もインコも嫌だと断るが、娘は屈せずインコを実家に連れてくる。
お互いが緊張して最初は距離を置こうとするも、
手探りの状態から
インコ・九太郎への餌やりで次第に心を通わせるようになる。
頭の上にフンをされても、
「シナモンロールのようなうんこを落とされました」と
淡々といつものように仏前の妻に報告をする正三。
何日か後に
仏壇の前に座っている正三の肩に乗り
九太郎の口から妻の名前「よしちゃん」と言うのを聞いて一気に急接近。
娘に「九ちゃんをくれ」と頼む娘ミカを困らせるほどに。
・・・・・
とにかく
これは絵がないと伝わらないので、本を買っていただきたい。
押し付けがましくないから、うまくいく。
たとえ大きな壁があっても
巻き込まれたり、引っ張られたり、ぐちゃぐちゃにされても。
壁をヒョイ、と乗り越えられる。
壊すだけではない。
乗り越えるのだ。
あたらしいともだち、の存在によって。