考え方や生き方は時代を超えても美しい。
向田邦子さんの本に出会ったのが
18歳の頃。
(もう少しさかのぼると中学国語教科書「字のないはがき」で初めて知った記憶があります)
「思い出トランプ」「男どき女どき」。
読んでしばらくは誰とも口をききたくないくらいにショックでした。
どこにでもありそうな、誰にでもありそうな。
暮らしの中の人の機微。
ささやかな日常の中にも「人」を通して、
細やかで温かみそして少しの怖さがあるストーリーが描かれている
向田邦子さんの作品にはいつの時代にも通用する瑞々しさがあります。
小説、脚本だけでなく、向田さんの生き方が共感するものだとエッセイを読んで感じます。
こちらのエッセイ。
普通ならちょっと恥ずかしくて書けそうもないことも、人の心の中を見透かすかのように深くかつサラッと、描かれています。
人間って完璧じゃないほうが魅力的。そう思わせてくれます。
平成も終わりです。
昭和を生きた作家脚本家さんですが、記憶に残るのはやっぱり「人間性」ですね。
こんな時代だからこそ読みたい本です。