初めて入ったラーメン屋で、困惑したことはないだろうか?
券売機で財布から小銭を取り出しては、
後ろで待っている人に迷惑をかけてしまう、
もたつくオバハン、なのだが。
これだけではない。
メニューの多さで悩む、他には
麺の硬さ、スープの濃さ、背脂を少なめ多め、
一体どれを選べばいいの?!
わからん。
好みってったって、どんくらい硬いか、味は濃いのか薄いのか?
結局、店員さんに聞いて
それでも、なお悩んだら「その店のおすすめ」を選ぶ。
選ぶ、ってむずい。
また私は
店を事前に調べるのが苦手である。
事前に店に予約なり出向くときには一応店のHPを見るが
定休日、営業時間、どんなメニューか。
レビューもさっと見るだけ。
「うまい」か「まずい」かは自分の舌で決める。
なので、最近TVで
プロの料理人がチェーン店のメニューに口を出し、
合格か否か判定する番組を何度か見たが
「うまいとかまずいとか、そんなもの庶民(自分)が決めるんじゃ!」といつもヤジを飛ばしている。
味の好みなんて、それぞれだから。
人からどれだけ「まずい」と言われようと「うまい」と思えばうまいのだ。
1人だったら、店も調べず行き当たりばったり、ふらっと入ることも多い。
誰かと一緒に行く時は、一緒に行く人に大抵はお願いする形にする。
もちろん文句は言うまい。目の前の大切な人と食事の時間を楽しく過ごすのだ。
そんな店との付き合い方なので、知らなかった、聞いてないよ。と言うことも多い。
随分前のことだが
紹介してくれた人づてに、1人でライブハウスに入った。
その時は午前中から他の予定が込み込みで
入店する頃の夕方にはくたびれていて、少し飲んで早く帰りたかった。
紹介してくれた知人の手前、一応義理、と言う形だった。
だが、その時間は短くても楽しむつもりでもいた。
入った時、受付があり
受付の人が
「先会計で、3ドリンクで〇〇円いただきます」
と言うではないか。
「え?3ドリンク?
いや、1ドリンクでいい。3ドリンクも飲まない」
と切り返した。
そんなに時間を使いたくない。
お金もそうだが、時間が勿体無い。と思ったのだ。
それに、なんで3杯飲めと、店から決められなきゃならんのよ。
そんな3杯ごとき、一気飲みすればいい?ご冗談を。
はじめから1杯飲んでさっと帰るシナリオだけはイメージしていた。
だから3杯も飲みたくない。
そこで、お店の受付の空気が変わった。
「少々お待ちください」
え?待たせんの?冗談でしょ?
一気に興醒めし、帰りたくなった。
私もバカだと思う、さっさと帰ってしまえばいいのに
「知人に会う」と謎の真面目さが顔を出す。
結局、ジントニックをぐわっと1杯だけ飲み、さっさと帰った。
知人にも会った。けれどゴネた手前、ぎこちないバイバイになった。
ああ、もうこんな店行かない。心に決めた。
何杯飲むのか、自分で決めるのだ。
人から何杯飲むかなど、決められてホイホイ入店などしたくない。
選択するのは、むずい。
けれど、
これまでの「選択」が自分を作ってきたことは事実だ。
さあ、あなたはどう選択してどう生きる?