heya-koto

BLOG

2025.06.18【〜でよろしかったでしょうか?】の違和感

 

先日、夫の職場に

一本の電話がかかってきた。

 

先方は初対面であろう夫に

いきなり用件を伝えた。

「そちら、10年以上お使いのエアコンでよろしかったでしょうか」

 

どうやらエアコン代理店からの買い替えの

セールスのよう。

 

10年以上エアコンを使っている、は正解だったが、

 

何より夫が疑問に思ったのは

先方との面識が一度もないはずなのに

こちらの状況を言い当ててしまったことだ。

 

 

「〜でよろしかったでしょうか」

 

日頃から夫だけでなく

私もモヤっとしている「マニュアル言葉」

ファーストフード店やレストランなどで注文すると

店員がよくこの言葉を使う。

あまりに聞きすぎて、気にしなくなってきた最近だが、

夫から聞いたこの話から再燃してしまった。

 

 

 

1   こちらの事知ってるの?

 

「〜でよろしかったでしょうか」

と言う使い方に違和感を覚えるのは

 

主に確認の時に

・〇〇を注文していたけれど〇〇でいいか?

・△時に⬜︎の場所で会う予定だったけれど問題ないか?

 

など

予め決めていた事に対して

2人以上の人間が確認のために使っている。と信じている。

 

が、先ほど伝えた、

 

いきなり、見ず知らずの相手に

しかも10年以上使用のエアコンがある事など

知らないはずの情報を知っているかの如く

確認する事は考えられない。

 

夫は

「こちらの事知っているの?」とナチュラルに聞いた。

 

 

 

2   知らぬは一生の

 

先方は、まさか自分がそんな事を言われるなんて

思っても見なかったようだ。

声から察する30代前後のさほど若くもない男性は

驚いた。

 

さらに、夫から言葉遣いで怒られたと思ったようで

「すみません!」を連発していた、そうだ。

 

 

夫の肩を持つと

怒ってもいないし、

「何で君がうちのエアコンの事知っているの?」

と言う気持ちだったよう。

 

 

いきなり電話口で見ず知らずの人から

「あなた、51歳の子持ちでよろしかったでしょうか」

と言われているのと同類だ。

 

無論、そんな事は言われた事はないが

占いや透視でもあるまいし。と思わず

他人事として笑ってしまう。

 

 

 

3   子どもに聞いてみたら

 

他人事とは言え、若い子を見ると

最近は我が子と重ねて見る事も多い。

 

社会人や大学生の長男、次男は

社会で不憫な思いをしていないか。

母の暴走する想像力に歯止めは効かない。

 

 

我が子は

ファーストフード店、居酒屋、カフェのバイトをしている。

もしやウチも「〜でよろしかったでしょうか」と

多用してはいないだろうか?

と頭をよぎった。

 

帰宅した大学生の次男に

事のいきさつを話し、「お前はどうだ?」と聞いた。

 

まず、次男の第一声はこうだ。

「うわ、うぜッ」

 

続いて

「そんな事言うような父親だったの?」

とガックリ肩を落とした。

 

「そんなもん、気にした事もないし

いちいち覚えてなんかいない」

 

さらに

「じゃ何?過去形じゃなければ良いの?

“〜でよろしいですか”と言えばいいの?」

 

と聞かれたが

うーん、そう言う事でもないんだよなぁ。

うーん、でもそうかも知れないけどなぁ。

 

こちらの真意を突かれ

タジタジになってしまった。

 

 

 

若者よ。

こんな小っちぇ言葉遣いを、ああだ、こうだ。

と話をするようなウザい親に育てられ、

変わるも変わらぬも構わない。

 

それでも

何か引っかかりを持って言葉を選んで欲しいだけだ。