昔、ある仕事の依頼があった時、
先方からメールにてメッセージをいただいた。
何度かのやり取りの末、近く会う約束をとった。
メッセージの最後に
「金内さまにお会いできます事、楽しみにしています!」
と、ひとこと添えられていて、
仮にビジネス文書としても、社交辞令としても、楽しみにしていなくても?!
これまでの人生、他人から期待されることに慣れていなかった私は、
飛び上がるほど嬉しかったのを覚えている。
これをきっかけに、
自分も真似しよう。と心に決めて実行した。
仕事のメールや、子どものコミュニティーや、友達と約束した時など、
これから会う予定の人たちの連絡は
「〇〇さんにお会いできます事、楽しみにしています!」
「△△ちゃんに会えるの楽しみにしているよ〜!」など
バリエーションを変えながら
メッセージの最後に必ず入れる様にしている。
このメッセージ、何がすごいかって
誰に対しても使えるキラーワードだからだ。
目上だろうが年下だろうが関係ない。立場や役割を超えた破壊力がある。
もらって嫌な気持ちになる人なんて、この地球上で一人も、いないだろう。
このメッセージを自分なりに少し深堀してみる。
・「〇〇さんに〜」と相手の名前を呼ぶ事で、自分のことを認められたと認識してもらう。
・「お会いできる事楽しみにしている」と、これから待ち受ける未来をワクワク感とともに、関係を良くしようという先方の前向きな気持ちが伝わる。
・最後に「!」をつける事で、このメッセージをより強調する。
いかがだろう。
相手を立て、相手への自分の気持ちを前向きに伝え、
関係が良くならないはずが、ない。
メッセージは相手ありき。
そして、相手との関係性もさまざま。
馴れ合いの関係もあれば、まだ数回しか会っていない、これから会う人、だっているだろう。
どのパターンでも使える。
何度もお会いしているクライアントや馴染みの友人だって、
何度も同じメッセージで締めくくる。
それでいい。もはやパターン化して、
こちらのことを好きになってもらおうという下心だらけの魂胆だ。
これから初めて会う予定の人にも効果的だ。
緊張感のある初対面の事前に、このメッセージを送っておく。
そうすると、先方も少しはリラックスできるはずだし、
何より、自分がこの言葉を使っていることで、不思議と前向きになる。
もともとが前向き人間でなくても。だ。
暗示にかける、と言ってもいいかもしれない。
現代社会では
「他人に期待しない」という風潮・言葉のトレンドがある。
この言葉に少し懐疑的、ではある。
世の、家事をしない夫に「期待をする」から
家事も「やってくれない」とイライラしてしまう。
そりゃ、普段からやっていないんだもの、当たり前だろう。と毒づいてみる。
期待の仕方を変えればいいのだ。
「自分都合の見返り」を期待したものでなく
「相手が喜びそうなこと」から始めればいい。
例えば、パートナーが数字に強ければ、
家計管理や無駄な経費を見つけてもらう、損しない買い物術など。
そこには大きく期待をして、ありがたがる。
到底、自分にはできないことだもの。
冒頭でお伝えした
仕事でいただいたメッセージの方とは、いい関係を築け
その後の仕事で、最大のパフォーマンスを出せた。
これも“私自身に期待“をしてくれたおかげだ。
「金内さん、期待しています!」そんな言葉をかけられたい。
なんの、プレッシャーなど微塵も感じない。
期待をすることは、見返りを求めることではない。
相手のアイデンティティを最大限に活かすことなのだ。