
「仕事が楽しいなんて一度も思ったことないし、そもそも楽しいものではないでしょ」
4月で社会人二年目になった長男(23歳・当時は社会人一年目)が言った。
今年正月に実家に帰省した長男。
私たち夫婦と長男の3人で彼の愛車に乗り込み、少しのドライブの後、カフェでお茶をした。
親子3人で食事をする。
こんなシチュエーションは、久しぶりだ。
就活中の大学三年の次男(21歳)に何かアドバイスなど一言あるか?
と、次男がその場に不在も関わらず
親である私たち夫婦は、久しぶりに会う無口な長男を質問責めにする。
で、冒頭の長男の一言だ
へ??楽しくない、、仕事が?
手に持ったコーヒーカップを口に運ぶのを忘れ、しばらく固まった。
誤解のないように言っておくが
長男の勤める会社は、ブラック企業ではない(はずだ)
・定年まで続ける人がほどんどで離職率も低い
・ノルマなどの競争は一切なく人事の平等性がある
・週5日出社。残業もあるが、月に2回ほど
・年に何回かの研修ほか、教育システムも充実している
など
これらは会社のHPを見ればわかること。
この情報は親子で共有している。
しかも本人の口から
「上司に一度も怒られたことがない」と言うではないか。
ミスに対しての注意は当然あるだろうが、
嘘だろ?!と思ったが本当なのだ。
では「楽しくないから」辞めるのか?
そうでもないらしい。
まだ(当時)一年も経っていない社会人だ。
これまでの長男の就活だって、すんなりと決まったわけではない。
何社も受けては落ちることもあったし、ようやく掴んだ、と見てもおかしくない。
リモートで何度も就活した後ろ姿も見てきたから、思わず感情が動く。
「せっかくなんだから」と言いかけてやめた。
しばらく話を進めていると
辞めるとか、今は考えていない。とのこと。
「楽しくない」≠「辞める」
と言うことだ。
イマドキの若者の特徴なのか。それとも長男の独特の冷静さ。か。
どちらにしても、昭和を生きた私には無い感性だ。
これまで、長男は
大学時代、コンビニやカフェでアルバイトした経験があるが
「もうやめたい」「店長がこき使う」「給料が安い」など愚痴を漏らしたことも。
「無理しないで辞めれば」と私が言っても、4年間辞めないで続けた。
諦めないで辞めない、ということでもないが。
嫌になったら、さっさと辞めてもいいのだ。
自分だってそうだったから。
転職だって、彼の生きたいように生きればいい。
親としては相談にはいくらでも乗るつもりだが(それも無いだろう)
もう親の言葉など何の効力も無いどころが「口を出すべきではない」と思っている。
一見無気力な長男の言葉だったが、
2年目突入。この春に先輩になった。
仕事って楽しさを求めなくてもいいのかもね。
これが本当の仕事のあり方かもしれない。
楽しさや理想を求めると現実とのギャップに落ち込む。
淡々と目の前のタスクをこなすだけでもいいのかもしれない。
給料はその積み重ねた自分の成果、だもの。
辛いことも嬉しいことも込み込みで。
あまりに機械的?そうかもしれない。
でも究極、仕事なんてそんなもんだろう、とも思いはじめている。
仮に仕事は楽しくなくても
自分の稼いだお金で好きな車を購入し、
週末には長距離ドライブに行ったり
友人たちとバーベキューをしたり。
帰る時、長男から「お年玉」を初めてもらった。
親としてこんなに嬉しいことはない。
仕事だけが人生では無い。
好きなことをするために稼いでいる。
そんなことを思う、春の一日であった。