
育児が一旦落ち着いた時期から、
友人と定期的に飲み会を開いている。
仕事に加え、家に帰れば家事。
「やること」といえば、
毎日が単調で、判を押したような暮らし。
それが自分にとって心地よい。
なんなら、突発的なハプニングがあったら、
気持ちに波風が立ってしまい、落ち着かない。
そんなことがないようにしている生活、といっても過言ではない。
「今ヒマ?これから会わない?」
20代の頃は、頻繁にあった飲み会に誘われることも、今では皆無。
あの頃から見たら、地味で平凡でつまらない暮らしだ。
「かねちゃん、今度飲みに行こうよ」
一通のLINEメッセージが入る。
相手は、長男・次男の幼稚園時代のバス停で一緒だった、ママ友だ。
もらった好意は返したい。
「いつにする?◯日と△日だったら良さそう」と
何回かのラリーで日程と場所と店を決める。
「会おう」と誘ってくれた人には、会う。
世には社交辞令で
「今度会おう」を挨拶がわりに使う人もいるが、そんな関係はフェードアウトしている。
実際に会うことは実現しないから、だ。
ちなみに自分から誘うことは、ほとんどない。

彼女とは15年以上の付き合い。
お互いの第一子は社会人、かたや結婚、と
母親としての役割も徐々に手放す時期に突入。
子どもの受験や引っ越しなどで、一時期離れた関係だが、再開した。
飲み会はかれこれ2年前あたりから、年に2回ほど開催。
「ママ友」というには、あまりにも薄っぺらな表現になる。
すでに彼女とは立派な「友人」として付き合っている。
お互い50を過ぎているので、
子どもたちの話だけでなく、年老いた親の話題ものぼる。
「実家に帰るとストレスでさ〜。3時間以上は持たない」
昔からそうだったみたいたが、
両親との折り合いもあまり良くない。
帰れば軽い喧嘩のような言い合いもしょっちゅう。
相手の親には悪いが、
聞けば聞くほど本当に「クソみたいな」親だ。

もしあなただったら、
友達に何て声をかけるだろうか?
友人との距離感を測る指標だろう。
「親御さんには悪いが、ほんっと、最低だな」
言ってやる。
そして彼女はホッとする「そうだよね〜〜!」
ライトに、笑って一蹴する。
寄り添うだけではだめだ。
「そんなこと言っても親御さんだって…」と正しさを?
いや、これは言語道断だろう。
一緒に「笑い話」にできるかどうか。
そして目の前の素敵な彼女を産んでくれた親御さんにも、心から感謝しつつ。
これが、私の極限に数少ない友人とのあり方、だ。
たまには「くだを巻くように」暮らしにアルコールを入れてみるのもいい。
限度もあるが、羽目を外してみるのも単調な日々に活力を与える。
普段は酒は飲まない。酒といえば自宅に料理酒があるくらいだ。
自宅で酒を飲むと、暮らしのリズムが狂う。
リズムが狂って嫌なのは、単に私の器が小さいからだ。

当日は留守番の家族には、
夕食を用意し、風呂にいつでも入れるようにして。
楽しみをエサに、多少は頑張るのだ。
家族には「日常」を普段通りに過ごしてもらい、
自分は一人「非日常」を思いっきり楽しむ。
子供が成長すると、楽しい「非日常」が待っている。
子供が成長するように
母も、いつまでも「母」ではないのだ。