
人さまの本棚を拝見するのが好きだ。
その方の
何を考え、何を大事にしているのか?
キャッチすることができるからだ。
また何に悩み、何を求めているのか?も同時に知り得ることができる。
本棚を見ればその人に近づく。ような気がする。
今日は本の整理についてお話ししたい。
美容室で少しの待ち時間にタブレットを渡される。
「好きな雑誌をお選びくさだい」
電子書籍で見たい雑誌を選び、ページをめくる。めくるという表現でいいか?
タブレット一つでさまざまなジャンルの雑誌を眺めることができる。
慣れない操作で、深爪気味の太い指で行ったり来たり。
あれ?さっきのページに戻りたいけれど、前だったか後だったか。
まあいいや、先に進もう。

デジタルもいいが、
なんだか「流れる」ふわっと軽い感覚が昭和の50過ぎ女にはついていけない。
しっかりと、地に足つけて何度も往復したい。
「やっぱり紙の本で読みたい」と思ってしまう。
「捨てられなくて本の重さで床が沈んだ」と言うクライアントの話。
本の重さに床がたわんでしまった。とのこと。
他にも
本の重さで棚板が歪んでしまった。
通路に積んでいた本が歩いたら崩れた。
というエピソードも。
拝見すると、確かに本のあるその場所が水たまりができそうな歪みがある。
「本がお好きなんですね」
クライアントは、なんとも言えない嬉しそうな顔をする。

好きな本に囲まれている幸せ。
極論、これでいいじゃないか。と思う。
誰になんと言われようと、床に穴が開いたら元も子もないが、たとえ読まなくても持ちたいだけ持つ。
もしかしたら、多くの人がそうであるように
本ほど知的所有欲をくすぐるものは無いかも知れない。
話を伺っていくと
「今後持っていてもしょうがないしね」と少し寂しそう。
老後を案じ、子供達に大量の本を整理をさせるのは酷だから
自分が元気なうちに本の整理をしておきたい。とのこと。
片付けのプロである私は
本の整理に関しては、特にアドバイスすることは、ほぼない。
というのも
クライアントご自身が「何を残し、何を捨てるか」
はっきりしている場合が多い。
迷うことが、ほとんどと言って無い。
「どうしましょう」聞かれたことも一度もない。
つまりは
頭の中は十二分に整理されておられるケースが多い。
本の状態だけを拝見して
「シミがついている」
「湿気で傷んでいる」
「同じ本が他の場所にもある」
この程度しかアドバイスできない。

手を動かすこと2、3時間。
クライアントは黙々と時に独り言を呟きながら
「これはいらんな」「これは懐かしい。取っておこう」
サクサクと仕分けが完了する。
私はというと、
クライアントの横で
処分orリサイクルの手放す本を受け取り、本を束ね、
これらの本を玄関先でいつでも出発できる状態にしておく。
残すべき物が決まり
大切な本が集まった、本棚を改めて拝見する。
ああ、やっぱり想像通り。
この方の思考で、この方の個性、だわ。
公私混同?
私も答え合わせをして本の整理が終わる。
ちなみに私の?
思しき本がダイニングチェスト一角にあるだけ。
立派な本棚はない。
頭の中はいつでも空っぽ、だ。