
日曜日は
片付けの手を休めて
今回、98年「時代」。
蛍が富良野に1人で帰ってきた。
兄のように慕っている、いとこの草太に告白する。
赤ちゃんが出来たこと。
その赤ちゃんは以前付き合っていが別れた落石の医師との間に出来た子だと言う。
彼とは別れ、1人で出産する覚悟だと言うこと。
草太は黙って聞いていたが、
以前から蛍に好意を寄せていた正吉に
「蛍にプロポーズしろ」と勧める。
偽装結婚のシナリオが出来た。
強引で無茶苦茶な提案だが
極秘出産をする蛍を労り、事実を知らないショックを受けるであろう五郎の為を思っての行動だった。
何も知らず、正吉と蛍ができちゃった婚をするものだと思っていた五郎だったが、
口の軽い草太から次第に噂が流れ、五郎(や純)の耳にも入り、こっそり母子手帳を見た五郎が真実を掴む。
実家に寝泊まりしている、妊娠7カ月の蛍。
結婚式3日前に五郎に告白をしようとするがなかなか出来ない。
布団を並べる2人。
・・・・・
蛍 「あ、蹴った。父さん触ってみて」
五郎「大丈夫かい?」
蛍 「ほらぁ、ほらぁ、わかる?動くの?」
五郎「ああ、動いた」
「お前、落石の先生の事完全に忘れる事出来たかい?」
蛍 (頷く)「……出来た。忘れた」(涙が溢れる)
五郎「うん」
蛍 「父さん……」
五郎「そんならいい。。そんならいい」
「また、動いたよ」
蛍 「父さん」
五郎「どうした?」
蛍 「父さんのこの匂い、絶対忘れない」
・・・・・・
結婚式前では「あの頃(幼少期)に戻りたい」と蛍。
うう、、小さい頃からずっと観てきただけに、おばさん涙が止まらない。
このドラマでは、ヒーローも悪も、いない。
草太もまたその1人である。
父・清吉の死後、畑の開拓事業を大幅に伸ばし、近隣の土地を買い占める。
隣の畑で有機農業をしていた完次(小野田 良)の畑が
疫病にやられ多額の負債を抱え、夜逃げしてしまった。
完次を冷たく突き放す草太に、純は「変わった」と不信感を抱くようになる。
(完次が使っていた)「トラクターを一緒に運ばないか?」と草太に頼まれるが、
嫌いになりそうだ、と純は草太に断る。
翌日、1人でトラクターを動かしていた草太が
下敷きになり、死亡してしまう。
草太も多額の借金を抱え、苦しんでいた。
完次も、また草太にとっても、他の農家も。
畑は“我が子”のような存在だろう。
命が絶たれる苦しみ、命を残したいと、必死になる。
ここには“悪”は存在しない。
口が軽くて、女好きで、強引な草太だが
出戻りの雪子や蛍を、誰よりもあたたかく迎えた。
正吉と蛍の偽装結婚といい、結婚式のサプライズ計画といい、
やっぱり最後まで憎めない、兄貴だ。
正吉が“義兄”になり、
純に「兄さん」と呼ぶシーンは
何度観てもクスッと笑ってしまう。
まだ何も知らない時に
正吉が純に「蛍と結婚する」と言われた時は
すんごい怒っていたのに。
かけがえのない可愛い妹だ。
近い存在であればあるほど、驚きと怒りの感情があらわになる。
「家族」だと思っていた、正吉が蛍と。
最終的に草太の言っていた通り、まぁるくおさまるが、
よそとかうちとか、関係ないのかも知れない。
そんなものは「命の尊さ」が飛び越えてしまうのだろう。