2024年 11/24
埼玉県春日部市にある
イトーヨーカドー春日部店が閉店した。
アニメ
『クレヨンしんちゃん』
のモデルとなったスーパーである。
アニメの中では『サトーココノカドー』として登場。
(作品内の他のネーミングセンスもまた見どころ)
昨年、クレしんが好きな娘と“聖地巡礼”で一緒に行った思い出がある。
なんの変哲もない、ごくごくフツーのスーパー。
“洗練された”の文字は程遠い。
初めて入ったのに前から通っていたような、懐かしい趣さえあった。
現在ではアニメの趣味も変化してきた、小学6年娘だが
今だに『クレしん』だけは変わらず観ている。
かく言う私は
食わず嫌いとはこのこと。
娘が好きになるまで、観たこともなかった。
初めは下品なセリフや描写に眉をひそめたものだが、
映画やアニメを観ているうちに
いつしか、そんな気持ちは吹っ飛んだ。
映画館では涙が止まらず、帰路で一旦休憩したくらいだ。
たまに、電車の中で『クレしん』のマスコットやバッグを持っている20代〜くらいの女子を見かけることがある。
娘が一緒にいると、こっそり娘に教えて顔を見合わせ、微笑む。
なんだか“同志”を見つけたような気持ちになるのである。
20代くらいというと、クレしんなどに興味がないように感じるが、違うようだ。
やはり30年以上も愛されているわけを、私もそして娘も理解しているつもりである。
そんな『クレしん』の魅力を3つお伝えしようと思う。
野原しんのすけ5歳。
子どもなのに、大人顔負けな「セリフ」名言が多く登場する。
5歳ならではの素直で、ドキッとするような、ウイットに富んだ言葉たちである。
「父ちゃんが思っているほどみんな気にしてないゾ」
「オラの未来はオラが決めるんだゾ!!」
「話を聞かないで疑う。大人の悪い癖ですな」
などなど。
私のように、しんのすけの言葉でノックアウトされたファンも多いだろう。
子どもだから当たり前?か。
いやいやこんな「子ども像」はそうそう見ない。
“きれいなおねいさん”が大好き。
ふらふら〜と可愛げな子どもの武器を使って自ら近づく。
また、しんのすけの父、ひろしも同様。
道端などで、綺麗なお姉さんに声をかけられる、父子のシーンでは
ムーディーなバックグラウンドミージックが流れ、
二人とも急に“ニヒル顔”に変わり、カッコつける。
声も低くなり、ダンディーな男子たちに変身する。
作品の定番シーンだが、いつも笑ってしまう。
「男子ってバカだね〜」
そう言って、カラリと笑い飛ばせるのだ。
こんなこと、実は日常ではあまりない。
世の男子たちに向かって、変に肩肘張って真面目に捉えすぎていないだろうか?
ゆえに、愛すべき男子たち、なのである。
映画をとにかく観てほしい。それだけだ。
ここに本当の家族の姿がある。
多くは語りたくない。
見れば必ず好きになる。約束する。
下品、だけじゃないゾ。
家族についてここまで描かれているアニメは他を見ない。
改めて家族っていいな。と素直に思う。
春日部の街は『クレしん』一色。
至る所にしんちゃんがいる。
サトーココノカドー、じゃなかったイトーヨーカドー春日部店は閉店してしまったが
まだまだしんちゃん好きにはたまらない、魅力のある街だ。
一度お出かけにいかがだろう。