片付けで訪問するクライアントは
一人暮らしから5人のお子さんのいる大家族まで、
年齢も小さいお子さんからシニアの方まで。
多趣味の方、ペットを飼っている方、インドア派の方。
ひと口に暮らし方、と言っても実に様々である。
ただ「片付かない」と言うことは共通のお悩み。
そんな幾度となく話していくつかの共通点があることに気がついた。
今日話すことは、
もしかしたらあなたにも当てはまることかもしれないし、
「そんなことはない!」と気を悪くするかもしれないが
3つの共通する「執着」について深掘りする。
いわゆる“汚部屋”のクライアントのお宅を片付けた過去。
一般的?な”散らかる部屋”とはどう違うのか?
「物が多い」
そんなことは誰でもわかること。
では
「なんでこうなったか?」はわかるだろうか?
それは
時間の執着がある。
「20年前にお気に入りで着ていたワンピース」
「25歳の我が子の小学生時代のランドセル」
「10年前に購入したシリーズのコミック100冊」
などなど。
古いものを持っていて何が悪い?
何も悪くはない。
しかし、週に一回でもそのワンピースやランドセルやコミックを
「触った」か?
触らないと言うことは、物を愛でていることとは違う。
箱に入れればおしまい、ではないのだ。
時間経過は案外分かりづらいが、
状態を見れば一発でわかる。
埃が積もっている。
カビが生えている。
変色している。など。
経年劣化は、たとえそれを使っていなくても五感に訴える。
「今後の物価高のために買いだめしておこう」
「成長した子供が困らないようにママ友からお古を沢山もらっておこう」
「老後が不安だから、身の回りび食器類はとっておこう」
などなど。
これからくる未来に向けて物を持って何が悪い?
何も悪くはない。
しかし、
これから1ヶ月後、食品ストックやお古の衣類や食器は「使う」だろうか?
使わないと言うことは、ただ「置いてあるだけ」と同様かもしれない。
今後使わなければ、一生使わないかもしれない。
未来への不安はどの人にもあるだろう。私もそうだ。
ここで提案だ。
食材をスペースに“入る分”で管理する。
お古を単にもらうだけ、でなく、ママ友と一緒に選ぶ。
食器はどれだけあれば安心か?安心の数だけ残す。など。
スペースに支配されることから、自分で管理する力をつける。
さて最後は、片付けが得意な人たちへのメッセージである。
「片づけが得意な人にアドバイスなんてある?」
「この記事の主旨とは違うぞ」と言われそうだが
あえて言わしてもらう。
片づけが得意な人たち、私もその分類に入るだろう。
「今」に執着するきらいがある。
逆に言えば「今に執着すれば」ある程度は片付く、という皮肉。
これから起こりうる災害に対しての防災グッズの類をあまり持っていない。
夫の過去に作った渾身のプラモデルを「古いから」と言って捨てる。
2年間使う教科書を間違って一年で捨ててしまう。
過去よりも未来よりも
「今」が大事だから。
だからそれ以外の物事は軽視しがちなのだ。
散らかっているのはネガティブな印象。
片付いているのはどちらかというと「いいね」とされる。
本当だろうか?
防災グッズもキッチンの見た目以上に物量は必要だし
家族の気持ちを無視してまで自分を通す必要があるか?
勝手な思い込みで教科書を捨てずに済んだのに。
「今」に執着しすぎると起こる、現実。
それでも片付いていることがいいことだとは思わない、。
片付けのプロなのに?だからこそ、だ。
片付いている、片付けられない。
真逆に聞こえるが
根っこは同じ、なのだ。
何がいい、何が悪い。
そんな執着からも解放されたい。