
ドキュメント72時間レビュー
NHK+配信にて視聴
2025年の再放送
『奥能登・珠洲海辺の銭湯』
この回は胸がキューンと痛くなるエピソードもありながら
心があたたまる回。
奥能登・珠洲市。
人口1万人のうち5千人が地震の被害にあった。
震災後も家の解体や仮設住宅に住んでいる人たちがいる。
海沿いの銭湯に来る人たちの交流を描いた回。
瓦礫の下から助けられた男性。
風景がガラッと変わって寂しい。と言いつつも
(つらいのは)「みんな一緒」という言葉が印象的。
仮設住宅に住んでいる自分たちのことを「家なき子や」とインタビューで答え
笑いに変えて逞しく生きている。
この銭湯、
昔ながらの薪焚き。
薪と地下水を汲み上げて運営している。
水道や油の輸送などの影響がなかったことで
早く再開することができたという。
解体した襖や柱などの廃材を使い、薪にしている。
家が倒壊して落ち込みそうなところを
決して無駄にしないで還元している。
銭湯のスタッフも被災しながらも働いている。
元漁師の70代男性は冗談を交えながら、他のスタッフとの交流がある。
漁師仲間からのエビをぶっきらぼうにスタッフに渡す姿がまたいい。
当たり前の日常を残すために絵を描き続ける男子高生。
受験勉強を先頭で過ごす日々はきっと家のような存在なのだろう。
ボランティアで参加している、棟梁と呼ばれる小学生の男子。
珠洲の塩で作られた美味しそうなラーメンもボランティアから。
復興に携わりたい人もいろいろな思いがあって恩返しをしている。
人口が減ってきているが、銭湯に集うことで新たな出会いがある。
九州から、関西から、と全国各地から集まってきた倒壊された家を解体する。
解体業者の若者たち。
夜の時間帯、銭湯に続々と集まる。
解体屋同士の交流もあり、地元の人たちとの交流もあり。
刺青を体中にびっしりとたくわえた解体屋の兄ちゃん。
見かけによらず、人懐こくて礼儀正しい。
銭湯にも通い詰め、漫画本を寄付したり。
元漁師の男性とも打ち解けて仲良しだ。
この地を気に入って
珠洲市に住民票も移すとか。
児童養護施設で育ったという彼。
家庭には恵まれなかったけれども、
被災地で感謝されて自分の居場所を見つけたように映った。
第二子が誕生して、家庭を守っていってほしい、と願う。
被災者には500円の入浴料がタダになることや
ボランティアの炊き出しの映像などは
当たり前のように過ごしていたことを、
「いやいや違うんだ」と蘇らせてくれる。
誰がかやっててくれるその行動に、ありがたいなあ、と。
何も変わり映えのないような日常。
そんな無意識の中で光る人のありがたみ。
当たり前と思っていることを、改めて見直したい。
記憶に残る、素晴らしい回だった。