昨年末、お歳暮を買いに夫と出かけた際、
とあるショッピングビルの通路に、
ヘアケア用品の臨時の出店ブースがあり
思わず足を止めた。
なんというタイミング。
ちょうど私は
娘が使うヘアブラシを買い替えようと思っていたのだ。
娘はまだ当時小学生ということもあり
自分の持ち物にはわりと無頓着で
ヘアブラシも好みはあるもの
さしてメーカーはどこがいいなどの細かいこだわりはない。
少し躊躇している私に
夫が言った。
「こういうのは“乗っかった”方がいいよ」
ヘアブラシは、スーパーやドラッグストアで買おうと思っていた。
そっちの方が安価だから。
少し悩んだが、
「えいやっ」と夫の鶴の一声と年末の勢いもあってブラシを購入した。
あなたにも、こういうタイミングはあるだろう。
「欲しいな」と思っていたものが、たまたま通りすがりの店にあった。
「あの人どうしているかな?」最近ご無沙汰のあの人に道でバッタリ会ったり。
電車にスムーズに乗り換えできるのも、信号が青続きなのも、これもタイミングだと思う。
タイミングというと
予期せぬハプニングの様なものと捉えがちだが、
私はそうは思わない。
人が運ぶものであって
自分でも気付かぬうちに無意識に操縦している。と思っている。
夫が一緒にいなければヘアブラシを買うことはなかったはずだし
ずっと「欲しいな」「いいヘアブラシ無いかな?」と願っていなければ
このタイミングは訪れなかった。
反対に
ヘアブラシが売っていても、
私が欲しいと思わなかったら、足を止めなければ
夫が一緒じゃなかったら、今回のこの記事にも、ならなかっただろう。
ヘアブラシから少し離れる。
20歳頃、知り合いにバッタリ道で再会した。
その少し年上の女性は「これから飲みに行かない?」
いきなり誘われた。
その後の予定もなかったし、
初対面の時から彼女に対して好感を持っていたので
ひとつ返事でOKした。
その日は終電ギリギリまで
食事をしながら、たくさん話し、たくさん飲んだ。
帰り際「楽しかったね!」と笑顔で別れた。
その後、彼女には会うどころか、連絡もとっていない。
しかも名前も忘れてしまった。
が、30年経った今でも忘れられないいい思い出として残っている。
あの時誘われなければ。
私もそこに「乗っかった」
これもタイミングだろう。
人付き合いだって、タイミングだ。
縁とも言うだろうか。
知っている顔だけの馴れ合いの関係だったり、
変わり映えのしない日常だけを追い求めていたら、色気がない。
よくルーティンなんていうが、たまには壊すのもいい。
今後会わない人でも、初対面でも、一期一会を楽しんでもいいのではないだろうか。
ふと、彼女の様に軽やかに生きる。ことを思い出した。
とはいえ、
5000円もするヘアブラシを
「タイミングだから」と軽やかに買えるようなフトコロ、まして勢いもない?
ちっちぇな、私。
こういう時は
①プロの言葉
②代替案
③思い込み
があると決断が一気に勢いがつく。
①店員にサイズ感や子どもの手のひらで持てるか?ブラシを使うとどうなるのか?
さらに癖っ毛がどうなるのか?まで聞き込んだ。
買おうかどうか悩んでいた一つに、
「買った後、娘がヘアブラシを気に入らなかったら?」
があった。これは
②私が使えばいい。で解決した。
③①で十分落とし込めたので、信じる。
これだけ高かったのだから絶対にいいはず。
と自分に言い聞かせるものあるだろう。
さてあれから半年。
娘の相棒の様な存在になった、我が家のヘアブラシである。