
「裸を見られるより恥ずかしい」
クライアントのAさん。
かれこれお付き合いは8年目に入る。
以前Aさんのお子さんが友人を自宅に“許可なく”連れてきたことで
家の中を他人(たとえ子供であっても)に見られ、お子さんに注意したそう。
「家に友達を絶対に連れてこないで!」
Aさんにとって、自宅は「ご自身の裸を見られるよりも恥ずかしい」ことだから。
このGWの二日間に、Aさん宅の片付け訪問した。
リビングと子供部屋、それぞれ5時間で片付ける。

子供部屋を片付けている際、
山積みになった書類の山から『令和』をになった日の新聞が発見された。
菅元総理大臣が『令和』と書かれた大きな額を持っている一面だ。
「ああ、懐かしい。8年前ですか」しみじみしていたら
Aさんが
「金内さんと初めて会ったのもこの頃でしたよ」
8年。いろいろ思い出す。
8年前に初めて訪問した時には
Aさんに抱っこされた下のお子さんが、
今では立派にランドセルを背負い、1人でお出かけもできる。
これまで何度も伺った中で
万年床だった2階を子供部屋にして、衣類で溢れた3階を寝室に変えた。
使わなくなったロフトベッドは、子供たちの秘密基地さながらのおもちゃ置き場にした。
お子さんたちを巻き込み、ベランダにあった苔だらけの水槽を掃除して、ダイニングに持ってきた。
Aさん家族とのふれあいの中で特に
片付けに対してあまり好意的でなかった、ご主人の存在がある。
「ものが捨てられない」というご主人と
以前、サシで1時間、膝を突き合わせて
「ああでもない」「こうでもない」と向き合ったこともある。
普段は手を動かしながら努めて明るく片付けに勤しむ私だが、
この時ばかりは、
手を動かさず、正座に近い姿で、じっと話を聞き会話に集中した。
それから納得した様子のご主人と一緒に、3階に行き部屋の中にあった過去を“清算”した。
ご主人にとって、とても苦しい時間だったはずだ。
金内のことは嫌いになっても、片付けのことは嫌いにならないで。
あれ?どっかで聞いた言葉。
先日の片付けでは、
奥様私が2階を片付けている間に
「長男のためにスペースを空ける」と
3階にあるご自身の衣類を1人で片付け
せっせとゴミ袋に入れて階下に運んでいた。拍手!
家も変われば、人も変われる、のだ。
「いつも片付けをすると現金が出てくる」
Aさんのジンクスはいかに?
5時間(うち1時間昼休み)の片付け。
片付けも終盤に入ると、流石に疲れてきて集中力が途切れてくる。
大量のものにパワーを奪われ
「ものにパワーを奪われそう」Aさんの精気がみるみるうちになくなってくる。
返事の声も小さくなる。
エネルギー代わりのアイスをいただき、いざ再スタート。
そんな中、
書類の山から、ご長男宛の“ラブレター”を発見。
そこでAさん、思いもよらぬ行動に。
なんとそのラブレターを皆のいる前で“音読”したのだ。あちゃー。。
もちろんそこには、ご長男もいる。
ラブレターを見つけたことで、急に元気になったAさん。
「よし、赤飯炊こう!」
これがよかったのか。はたまた裏目に出るか。
対し、ご長男はずっと俯きながらデスクに向かっている。
Aさんがグイグイとご長男に話しかける。
「ねえ、なんで何も言わないの〜?」
ご長男はボソっと
「母ちゃんがこんなにたくさん話すから何にも言えない」
そりゃあ、そうだ。と笑った。

現金は出てこなかったけれど、Aさんご家族の大切な一時を共有した。
片付けは単なる作業とは違う。
子供の友達は入れられないご自宅に、片付けのプロが訪問する。
ご家族の暮らしを見守り手伝うのだ。