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ニュースで
ウルグアイ元大統領(2010〜2015)
ホセ・ムヒカ氏(享年89歳)の訃報が伝えられた。
恥ずかしながら
このニュースを見るまで
ホセ・ムヒカ氏のことを知らなかった。
しかし、ぼんやりと見ていた
ニュースの内容に釘付けになった。
ホセ・ムヒカ氏のメッセージがあまりに強烈だったからだ。
ムヒカ氏の言葉
「貧しさとは少ししか持っていないことではないのだ。無限に欲があり、いくらあっても満足しないことだ」
(国連会議での発言)
ドキッとした。
そして「世界一貧しい大統領」だった、ムヒカ氏のことを調べた。
大統領時代から、公邸には住まず、郊外のトタン屋根でできた農場で暮らす。
公用車にも乗らず、自家用車・友人から譲り受けた中古のビートルに自ら運転する。
給料の大半を貧困層・財団に寄付し続けていた。
報酬で農業学校も設立し、子どもたちに農業を教えていたそう。
消費社会に疑問を呈し、
贅沢感は満たされることはない。
欲求不満に駆られる。と。
政治家でありながら
「国民と同じ暮らしをするべきだ」
(素晴らしい!!!)
質素な暮らしをを追求したリーダーである。
貧しい家庭で生まれ、花売りなどをして生活していたが
のちにキューバ革命に影響を受け左翼ゲリラ組織に入り、軍事政権下では13年ほど収監。
1990年代からは政治家に転身。
貧困層に寄付をし続けたことでも有名なムヒカ氏。
自身の経験からの政治活動は国民にとっても多くの功績を残した。
「私は質素だが貧しくはない。質素だ。
多くを持たず、必要な物だけで生きている。
物質的な物に囚われ過ぎないようにだ。
それは何故かというと自由な時間を持つためだ」
自由とは生きるための時間とも言っている。
彼のメッセージでは、命を使うことと時間を使うことを同じ意義として伝えている。
物を買う時、ただお金を使っているのではない。
お金を稼いだ時間と命を使っているのだ。
本当の豊かさってなんだろう。
欲しい物を買って、美味しい物を食べて、いい暮らしをしたい。
そのために働いている、と言ってもいいだろう。
嘘偽りない、正直な気持ちだ。
ただ、本当にこれで幸せなのか?
とも感じる。
旅行も、グルメも、いい見なり、も。
ムヒカ氏の言うとおり、
際限のない物、なのだ。
また人と比べて優劣をつけたり
欲求を止めることがなく天井が見えない。
もっともっと、と手を伸ばす。でも届かない。届いてもまた新たな欲が出る。
これがずっと続く、苦しい。
そもそも苦しいってことも、気がつかずにいるか?
人間らしいといえばそうだろう。
仕事だってこれがモチベーションにもなる。
頑張ったご褒美だって、それでも、まだまだ欲しい。
ドロドロな欲の塊も、持っていてもいいと私は思う。
ただ制限やボーダーラインを自分自身で決めないと苦しくなるだろうな。
その自分を律することが本当に難しい。それこそ、そこまで行くのに手が届かない。
どうしても
仙人や神や仏のような、悟った境地にはなれない。
全くもって、未熟な人間だと自負している。
最後に
ムヒカ氏の言葉を胸に、欲と戦い共存しながら
家族と目の前の人間だけは大切にしよう。と強く思った。
時間は有限で、人とのつながりも際限がある。
限りあるものとともに、より良く生きたい。
ここにホセ・ムヒカ氏のご冥福をお祈りする。