
日曜日は
片付けの手を休めて
ドラマ『北の国から』を
92年スペシャル版、巣立ち。
時は大晦日。
帰省する純と蛍のために、五郎は内緒で露天風呂を作って二人を喜ばせようとしたが
雪かきの最中、足を滑らせ丸太の下敷きになってしまった。
下半身が動かず、吹雪の中で一夜を過ごす。
棟梁の金次(大地康雄)が露天風呂がある山に行っていることに気づき、一命を取り留めた。
・・・・・・
純 「おじさん…本当にありがとうございました。何てお礼を言っていいか。もう」
金次「手術は明日だって?」
純 「はい。でも手術は心配ないからって。それより何より助かったことが本当に奇跡だって先生に言われました。
おじさんが夜中に来てくれなかったら、それと犬を抱いていたのが良かったみたいです。犬がいなかったらダメだったろうって。アキナが現場にいてくれたから。運が良かったです。
そう言われました」
金次「そりゃ違うな。 そりゃ違うよ。
これは運じゃねえ。犬のおかげでもねえ。
これはあいつが自分で生きたんだ。
(現場まで二人を連れて行く)
これを見ろ。見てみろ、ここを。
あいつは下半身の動かん体で、たぶんそっからシートを引っ張り
屋根作って雪から身を守り、火を焚こうとして(丸太の彫った木を見せる)
見ろこのスコップを。地べたが濡れとるから、たぶんこの上で。
スコップの柄を削ってあるだろう。削っておまけに燃やそうとまでしている。
あいつは自分で生きたんだ。
お前ら若いもんに、この真似ができるか?ええ?
お前らだったらすぐ諦めとる。諦めてとっくに死んどる。
あいつはすごい。たった一人で。おらあ、涙が出る。本当に涙が出る」
・・・・・・
純が東京で知り合ったタマ子(裕木奈江)を妊娠、更には堕胎をさせてしまう。
事実を知り駆けつけた五郎にタマ子の伯父(菅原文太)から「誠意はないのか」と言われ落ち込む。
事実を知り、東京に駆けつけた時も、どことなく浮かれた様子で反省の気持ちがない、五郎。
純に「こうすればいい」と土下座をして見せるも、見透かされる。
更には蛍のことを言われ、ハッとする(…おいおい。おっせーぞ)
富良野に帰っても「誠意のなさ」に落ち込む五郎。
更には丸太を売ったことで、3年越しの丸太小屋を断念し、鬱々とするも。
五郎が覚醒する瞬間がある。
井戸を掘り、どこにでもある廃材の石で家を建てることを思いつく。
人からは無謀だ、変わり者、と誰からも相手にはされない。
結局、クリスマスにたった一人で井戸を掘り当てる。
井戸からの水で露天風呂を作る、とそれだけを目標に意気込む。
良くも悪くも、子ども、だからできるのだ。
東京で純と落ち合った店内のBGMが
長渕剛の『やるなら今しかねぇ』
五郎は“ナカミゾツヨシ”と間違えて覚えているが
これが五郎の力の源になったことは確か。
ことあるごとに歌っている。
蛍は、五郎が望む富良野での准看護師をやめ、札幌で正看護師を目指す。
純はタマ子との関係を「責任」を持ってなんとかしようとする。
子供達は大人になっていく。
兄妹間の会話も大人になった。
父さんを悲しませないように、妹を優しく叱る兄。
小さい頃からのシーンを回想し、思わずしんみりする。
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金があったら金で解決する。
金がなかったら知恵だけが頼りだ。
知恵と、てめえの出せるパワーと。
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五郎ちゃん、いい言葉だ。
やるなら今しかねぇ。