
日曜日は片付けの手を休めて
ドラマ
今回
′89帰郷
親になってから観たら、しみた、回。
純が上京してから一年半。
なかなか富良野に帰れずにいた、純。
不良グループから盗んだバイクとは知らずに購入してしまう。
さらには職場の自動車修理場で、五郎からもらった泥のついたピン札が無くなる。
上司が盗んだと純は怒りを露わに傷害事件まで発展してしまう。
身も心もボロボロになった純が、富良野に帰る。
五郎の入った風呂を炊く純。
・・・・・・
純 「ぬるくない?」
五郎「ああ、良い湯だ」
純 「父さん」
五郎「ん?」
純 「僕早く言おうと思っていたんだけど、東京でちょっと事件起こしたんだ」
五郎「どんな?」
純 「喧嘩して人にケガさせたんだ」
五郎「どうして?喧嘩した?」
純 「大事なものをそいつに取られたから」
五郎「そうか…それは人をケガさせるほど、お前にとって大事なものだったのか?」
純 「ああ」
五郎「なら仕方が無いじゃないか。男は誰だって何と言われても戦わなきゃならん時がある」
・・・・・・
傷害事件を起こした際、
一緒に住んでいる雪子の夫・井関は
純を頭ごなしに「不良だ」と叱りつけた。
この、対比である。
看護師になるため
富良野を離れる事になった、蛍。
夜間の看護学校で通学時に
浪人生の勇次(緒方直人)に恋をする。
二人は通学時の電車内で恋を育むのだが、
結局、勇次は東京に行く事になる。
二人の別れのシーンは、昭和の良い味が滲み出た
何とも胸がキュンとする一幕。
周りに気づかれないよう、蛍はプレゼントを
勇次は手紙を蛍に駅のベンチに置く。
こんないじらしい気持ち、とっくに忘れとった。
蛍の送り迎えをしていた五郎は
純と一緒に恋路を覗き見する事を企む。
バレずに済んだが、
男同士の「バカだなぁ」と、笑ってしまう。
しかも蛍が最後に勇次に会いたい。と言ってきた時、
温泉を行こうと浮かれていたのを蛍に断られ
五郎はうろたえていたのとは対照的に
純は「行ってこいよ」と。大人になったものだ。
純が富良野に帰ってきた。
五郎たちが居ぬ間に実家に帰省し
死んだように寝ている純を「疲れているから」と、
そっとして起こさないようにする。
優しい父親。
その後、五郎は草太たちに協力してもらい、純の茶髪を黒くする。
寝ぼけ起きた純が見たのは、往年の番長たちの姿。
草太(岩城滉一)、ボスシング事務の会長・新吉(ガッツ石松)、シンジュク(布施博)クマさん(南雲祐介)の4人が一階で待っていた。
恐れおののく、純。
純の髪を染めながら彼らが、かつて悪だった自分と父との確執を語る。
父親と喧嘩して負かしてしまった。
一番ショックだったのは、自分だった。
あれから父親が急に老けたように感じた。
と。
父親という存在はどう言う存在、だろうか。
純にとって
この富良野の4人の男たちの存在もまた父親のような存在であろう。
このシーン、大好きだ。
ユーモアがたっぷりで
かつ暖かくも強い、男たちの話である。
父と息子、他人と家族、田舎と都会。対比を見てみるのも興味深い。