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2025.10.19ドラマ【北の国から】′87初恋レビュー/泥のついたピン札

 

 

日曜日は

片付けの手を休めて

 

ドラマ

北の国からを。

 

 

今回、レビューするのは、

′87初恋

 

いつ観ても、キュンキュンする回。

 

 

 

 

1 名シーン 上京する純

 

この回での大きな軸となるのは

純と父・五郎との確執がテーマ。

 

思春期を迎えた純は

ことあるごとに父に反発する。

 

言葉を交わさない、父を頼らない、

挙げ句の果てには、

父に内緒で、上京して定時制高校に通いながら就職する進路をこっそりと計画する。

 

無理はない、

純が小さい頃から電力を自力で引っ張り、逞しい存在の父が

歳をとり、特に火事で家が焼けてしまったあたりから

情けないほど元気がなくなってしまったからだ。

子どもに遠慮をする父に傷ついている。

 

中学3年、進路の相談も父にはせずに進める。

 

最後のシーン。

卒業式後、東京までのトラックを手配した五郎。

運転手(古尾谷雅人)にペコペコと頭を下げる。

 

元気で

と握手をして別れ、純をトラックに乗せる。

ぶっきらぼうな運転手。

尾崎豊の「アイラブユー」が流れる。

 

運転手が純のウォークマンのイヤホンを雑にひっぺがす。

 

 

・・・・・・

 

純「は?。。すみません、聞こえませんでした」

 

(運転手がクイっと顎でダッシュボードにある封筒を指す)

 

運転手「しまっとけ

 

純「何ですか?

 

運転手「金だ。いらんて言うのに親父が置いてった。しまっとけ」

 

純「ああ、いや、、あのそれは。。」

 

運転手「いいから、しまっとけ。お前が記念に取っておけ

 

純「いえ、あの。。」

 

運転手「抜いてみな。ピン札に泥がついている。お前の親父の手についていた泥だろう。

おらあ受け取れん。お前の宝にしろ。貴重なピン札だ。一生取っておけ」

 

(純が中身を確認する。そこには泥のついたピン札2枚)

(涙があふれる純)

 

 

・・・・・・

 

一番好きなシーン。

親父の優しさもそうだが

実はものすごく優しい運転手だったというところも泣ける。

 

 

 

 

 

2 永遠なる「れいちゃん」

 

この回に登場する、純の初恋の相手、大里れい(横山めぐみ)。

 

北の国からでヒロイン役として抜擢された彼女は

当時、代役のオーディションの時にギリギリ滑り込みで入った素人同然だった、そう。

 

そんな雰囲気さえも全く感じない、ピュアで唯一無二の存在感。

 

何度も観てるが、いつ観ても可愛い。本当に可愛い。

 

 

鏡を反射して困らせるシーン。

雪の中振り向きざま手を振るシーン。

白い手袋をした手を純の頬に当てるシーン。

 

 

たくさんのセリフなどいらない。

永遠のれいちゃん、である。

 

 

 

 

 

3 親になってわかること

 

純が父・五郎の誕生日に何日もかけて、方々協力してもらい風力発電を内緒でプレゼントする。

 

しかし当日、五郎の帰宅を待つサプライズ(そういえば雪子おばさんの時もそうだった)に

五郎は喜ぶどころか、秘密が覚した純の進路に対して怒りをぶつける。

 

 

久しぶりに観て、20年以上も時を経て見えた景色がある。

 

五郎は純に嫉妬していたのだ。

 

これは、自分が親になったからわかったこと。

 

 

子供が親を追い越してしまうこと。

本来嬉しいはずなのに、寂しくも、悔しくも、悲しい。

複雑な心境なのだ。

 

 

・・・・・・

 

疲れたらいつでも帰ってこいよ。

息が詰まったらいつでも帰ってこい。

国へ帰ることは恥ずかしいことじゃない。

お前が帰る部屋はずっと開けておく。

布団をいつでも使えるようにしておく。

風力発電もちゃんとしておく。

俺たちのことは心配しなくていい」

 

 

・・・・・・

 

 

うう、、泣ける。

この時代になって「自分のセリフ」のようにも感じる。

 

 

親なんて非力だ。

こんなことしかできない。