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2025.04.19【親切とお節介】境界線はどこだ?

 

 

駅の階段を上り切ったら

ホームに、友人らしき人と談笑している30代くらいの女性がいた。

遠目でも老眼でもわかる、その女性はスカートの腰のファスナーが開いている。

 

言おうかどうか、少し迷ったが

「・・すみません、ファスナー開いていますよ」

低いトーンでそっと伝えた。

 

その女性は、私の言葉に一瞬驚き

「?! ああっ、、!ありがとうございます」

はにかんだ笑顔でお礼をしてくれた。

ホッとしてその場を離れた。

 

見ず知らずの男性から言われるならともかくも、

おばさんの私に言われたところで、嫌な気持ちになり、キッと睨むことはないだろう。

反対の立場、自分だったら?と考えた結果だった。

 

 

相手がどう思うか?

それによって

「お節介」にも「親切」にも、どちらにも倒れる。

 

 

 

1 収納から溢れる日用品

 

定期的に伺うクライアント宅。

ご主人の買い物で、奥様は頭を抱えていた。

 

聞けばご主人は

洗剤、缶詰などの長期保存食品、トイレットペーパーなどの日用品を買いだめる。

 

一般的にそれは

「家族想いの旦那さん」で話は終わる。

 

が、買う量が収納を溢れさせ、奥様を悩ませる。

収納の隙間に小さなものを、

横にしたり縦にしたり、少し減ったと思ったらそのすぐ後にまた買い物で日用品が入ってくる。

 

上から降ってくる箱を積まないように。積んだものは消していくしかない。

外から入ってくる荷物を溢れさせないように。入ってきたものは使うしかない。

まるでテトリスのように

下の箱をやっつけては上から降ってくる。の繰り返し。

 

ご主人にしてみれば

「家族の買い物の負担を軽くしている」と言い分があるだろうが

 

果たして、それは『親切』なのだろうか?

 

 

 

 

2 読んでほしい読まない本

 

児童書、英語教材、知育玩具などを

「読んでほしい」「勉強してほしい」「遊んでほしい」からと

リビングにシリーズ全集を置いてみたものの、

実際には一度も子どもの手に触れないまま3年以上経過、ホコリがかぶる。

なんてことはないだろうか?

 

片付けあるある。だ。

 

リビングだったら、キッチンに立つ私の目にも届くし、

リビングにいる時間が長いのだから、絶対手に取ってくれる「はず」

「やってみたら?」声をかけてみるものの、

返事はそこそこでゲームに熱中する子ども。

全く読んでくれない本。

 

何がいけないのか?

これは『お節介』なのか?

 

 

 

 

3 片付けに興味がない家族

 

最後は我が家の話になる。

 

抜け殻のようなベッド、デスクの上に食べ終わった菓子袋、脱ぎっぱなしの制服。

仕事から帰宅して、それらの「残骸」を見る。

それから私が

ベッドメイキングし、包み紙をゴミ箱に捨て、制服をハンガーにかける。

 

これは「私がやりたくて」やっているのだ。

家族誰1人として頼まれていないし、

やったからと言って一度も感謝されたことがない。

 

 

 

それでいい。と思っている。

見返りを期待していない。

勝手にやっているのだから。

 

これは、正真正銘『お節介』だ。

 

 

こちらからの親切心などない。

「家族の為」なんて1ミリも思っていない。

 

勝手に私が「片付いていない部屋が気持ち悪い」からやっているだけ。

むしろ子どもたちは「勝手に触んなよ」と思っているのかもしれない。

お互い、無言のまま淡々と過ぎる、日常だ。

 

そんな家庭もある。

 

 

 

もし。だ。

あなたが、家族との片付けでなんだが上手くいかない、と思ったのなら、

『親切』なのか?それとも『お節介』なのか?を考えてほしい。

 

それが、お節介なのだとわかったら、

 

家族に「これってどうなの?」と

シンプルに聞いてみるのは一歩、いや十歩近く、前進だろう。