調べるより、尋ねる。
私と同世代の知り合いとの雑談から。
知り合い(50代女性)曰く、
「娘(20代)と一瞬に行った本屋。欲しい本があって、探していたんだけど、
なかなか見つからず書店にあった検索機で調べるのよ」
欲しい本を探すために、検索機で探す娘さん。
それでも時間がかかっていたので
知り合いはそれを見て、痺れを切らし、
「店員さんに本のありかを聞いたら、一発で探していた本を出してくれたわ」
と誇らしげ。
娘さんはそんなお母さんの行動を嫌がったそう。
「お母さん、恥ずかしいからやめて」と娘さんから言われたそうだ。
へ??店員に探し物を聞くことが恥ずかしい???
「若い子って、なんでも調べようとするの?」
しみじみ彼女は言った。
若いからとか年配だからとか、どうかわからないが。
人によるだろう。
店員に声をかける事に抵抗ある、って今時?
超アナログ人間の知り合いの話を聞いて「私も!」と深く共感した。
そんなの、聞くでしょ。
検索機でも調べることはあるが、店員が視界にいたら、ほぼ99%聞く。
調べている時間がもったいない、というより、探す気がない。
ちゃんと見ていない。
すぐに店員に聞いてしまう。諦めが早いのである。
先日も愚かなことに
自身も、本屋にて欲しい本があって、少し探して見つからなかったので近くの店員に声をかけたら
店員は「ここにありますよ」と、すぐ近くの平積みしてあるコーナーを指差した。
その距離、わずか30センチ。足もとにあった。
思わず、真っ赤な顔で「わっはっは」と大笑いして誤魔化した。
オバハンちゃんと調べろよ。と、若い店員は思っただろう。
10代の我が娘にも聞いてみた。
特に中学生になってからというもの、本屋で漫画本をよく買う。
一人の時が多いが、友人と一緒に書店に行くこともある。
やはり、娘も「検索機で探す」ことが多い。ことがわかった。
一緒に行った娘の友人が、以前
「店員さんが喋って欲しくないオーラが出ている」とのことで喋りにくい。と娘に話していたそうだ。
ええーー?!
気を遣うのそこ?と思った。
「ママ、恥ずかしいからやめて」
あ、そうだ。
先日、私も娘から恥ずかしいから、と制止されたことがあった。
いつかの夕方の仕事帰り、4車線向こうの歩道を歩いている娘を発見した。
大きな声で娘の名前を呼び、肩からちぎれんばかりに手を大きく振った。
最初は気が付かなかった娘だが、何度か大声で呼んだことに気がつき
離れた私の姿を見てニコっと笑って小さく手を振り返してくれた。
その時私は娘との交流ができ、悦に入っていた。
だがそれは、ただの思い違い、に過ぎなかった。
娘が帰宅した。
「外で大きな声で私の名前を呼ばないで!恥ずかしい。周りの人がジロジロ見てた」
と言うではないか。
「ええ〜?だって笑って手も振り返してくれたじゃん」
母の言い訳は、全くもって通用しなかった。
親の心子知らず、ならぬ
娘の心、母知らず。
繊細な娘達の胸の内など知る由もない。
きっと同じことを繰り返すだろう。
令和スタイルに、まだ移行できない昭和の母、なのである。