親だからと言って、尊敬しなくてもいい。
以前、姑が我が家に来た時のことだ。
私と姑でお茶をしていた時に
日頃の子ども達の近況を姑に話していた。
その時に姑が何を思ったのか
娘(姑にとって孫)に対し、突如無礼なことを言った。
ここでは言った内容を端折るが、
カチンと来た私は「そんなことはない」と抵抗をした。
姑自身、自分が失礼なことを言ったことに対してまだ気が付いていない様子だ。
「ああ、何を言ってもだめだ」と諦めた。
そして娘を守りきれなかった自分に対して怒りと落ち込みの感情が生まれた。
姑は、人に対し思ったことを口にするタイプだ。
意地悪で言ったわけでも、悪気はない。と言うのも十分わかっている。
悪気がない。こちらの方が実は厄介だと思う。
そして
人に対して、家族であっても
言って良いことと悪いことの分別もつかないのかと思った。
自分がそうだからわかる。
親はいつになっても不完全、だ。
自分が親になって特に最近ひしひしと感じていることだ。
親だがら、年上だから、育ててくれたから。
今やもう関係ない。
今回の件で、
もやっとした私は夫に自分の思いの丈を伝えた。
娘がお風呂に入っている時、
帰宅した夫には事実を中心に伝えた。
「ああー。残念だけど、そう言う人間なんだよ」
「(姑は)人の夢とか頑張っていることを応援できない人間なのだ」と。
ホッとした。共感してくれたからだ。
話しながら、姑に限らず自分自身の人間分析をした。
夫は「この親に育てられたから、その影響で俺は子どもに対して夢を潰すようなことをしていないか」とこれまでの子育てを振り返った。
人ごとではない私も同じくこれまでの子育てを反省した。
夫の親だからと言って、
これまでは「言っては夫が悲しむ」と夫には言わずに
実家の母に電話で姑や舅の悪口、文句を散々言っていた。
が、今回夫に思い切って自分の気持ちに正直になり、冷静に伝えることで
これまでの子育てに対して振り返ることができた。
とはいえ、これまでの自分の親とは仲が良くも悪くもないが、
幼少期からの自分の親に対しての溜まった不満を、誰にも言えず発散できずにいた。
が、ここ最近、主人に少しづつ話している。
小さい頃、中学生の頃、ああ言うことが嫌だった。など。
最近では、親も病気になったりと目に見えて弱くなってきた。
姑や舅の悪口を話す相手は、親では負担がかかる。
と同時に
自分の子供時代を振り返り、過去を清算したい気持ちになった。
それには一番身近にいる夫の存在が大きい。
気持ちを発散させることで、随分と心が軽くなった。
夫は「俺がいるじゃない」と言った。
泣きそうになった。
実家との確執など、どうでも良くなった。
実家を出て27年ほど。
現在の家庭に至る。
実家にいる年数を追い抜いてしまった。
それだけ、自分の家庭を築いている証拠だ。
実家は実家でありつつも、
もはや今は実家にいた頃の影響は受けていない。
自分たちの生活を自力で切り盛りしている。
うちはうち、だ。
これまで育ててくれたこと、困った時にお金を出してくれたこと、家族を想ってくれること、は感謝しているが
親だから、と言って尊敬はしていない。
こんな歳になっても、親は未熟だ。
一人の人間として、対等に付き合ってきたい。