「今度、温泉旅行に行こうよ」
古くからの友人グループで会うと、こんな話題がよく出てくる。
どうしてだろうか。
この世代・50歳女はどうして「温泉に」「みんなで」「行きたがる」
のか。
その場は笑顔で無言を貫くか
「まだ行けない。ちょっと先になるよ。」とやんわりと断る。
けれど
「いいよ待つよ!」と笑顔で切り替えされるから
ああ、伝えられなかった自分が悪い。と少し凹む。
ごめん、友人たちよ。
この場で白状する。
温泉も、友人たちも、嫌いではない。
だが
旅行は家族、それか、1人がいい。と思っている。のだ。
だから行けない。行こうと思わない。
気心の知れた友人たちとワイワイ話すのは楽しい。
けれど、長時間は一緒にいられない。
2次会3次会などもあるが、これは行く。
年に2、3回の滅多とない、友人たちとの集まりだから。
けれどこの頻度が高く・月一とかになると、もうダメだ。
グループだけでない。誰かと一対一で会った時もそうだ。
一刻も早く電車に乗って
一刻も早く家に帰って
1人になりたい。と思うのだ。
【1 「熟考する」時間】
単独行動が好きな理由として
趣味の映画も美術鑑賞も基本1人で行く。
読書は1人で出来るので最高の娯楽だ。
映画は主人と好みが合うのでたまに2人で出掛けることもあるが、
1人でじっくりと見たり聞いたり感じることが至福の時、なのだ。
その後の自分で反芻する時間も、とても大切にしている。
「この映画のメッセージは?」「監督の言いたかったことは?」
美術館で購入したパンフレットを帰りの電車で読み自分が見たことを「なぞる」。
なぞることで、自分なりの価値観や考え方が構築される。
ちなみに30年前ころ映画好きになった時から、自然とついた「熟考する」癖だ。
【2 「決断力」を鍛える】
買い物も1人。他人とは行かない。
そして、時間が長いのである。
主人はそんな私の行動を知っているので
いつも一緒に出かけても買い物は1人にさせてくれる。
一緒に行ったらとんでもなく待たされるから、とも言う。
購入するまで
一回見ては、考え、また見る、その間店員と会話もする。
自分から話しかけ、商品の使い方やストーリーなども聞き出すこともある。
けれど、最終的に自分で決めたい。買いたい。
店員から「この商品、大人気なんですよ」と言われれば、それに乗ってあなたは買うだろうか?
私は買わない。なぜなら
みんなが持っているものだからいい?本当か?と疑ってかかる、捻くれ者、なのだ。
決断力というとスピード感のある決断、を思い浮かべるだろうが、
こんな遅い「決断力」もある。
【3 人が好きだから「ぼっち」なのだ】
「ぼっち」というと人嫌いなイメージがあると思うが
それは違う。
どちらかと言うと人間が好きだ。
2年ほど前に中学校の同窓会に出席した。
誘ってくれた、仲のいい友人数名とも居たが基本的に離れていた。
全体の3分の1も思い出せない同級生ばかりだった。
いわゆる今も昔も「陰キャ」だ。
が、初対面ライクだって十分楽しめる。基本1人だからできること。
これが例えば2人3人のグループで参加したら、知っている人ばかりに話しかけたりして、行動範囲が狭くなっただろう。
1人で参加すること。
それは人間関係の可能性を最大限に活かせるチャンスになると信じている。
ライブハウスに1人で行き、メロディーや雰囲気や酒を楽しむ。
ラーメン屋に1人で行き、カウンターで隣合わせになったおっちゃんとラーメンの味について語る。
ファミレスで1人で行き、隣の人の会話に無言で参加しニヤけることも?!(盗み聞き?)ある。
ぼっちだって本当の意味で、1人じゃない。
数名や大勢でいたら行動が縛られてしまい、できないこともある。
1人だったら行動範囲が広まり、無理めなこともできそうな気がする。
だから私は、いつも「ぼっち」なのだ。