子どもに将来の夢を聞くのは
ドリハラ(ドリームハラスメント)と言うそう。
夢を聞くのはそんなに悪いことか?
と思いつつ、
聞かれた方は戸惑う気持ちもわからないわけでもない。
と言うのも私自身、
やりたい事が40歳になって初めてできたからだ。
それまで「何か決めなくてはいけない」空気が苦手だった。
周りの大人から「夢は?」と聞かれ
幼稚園は「レジの人」
小学生は「漫画家」
そこから何も考えられなく、考えたくなくなった。
特に高校3年の頃は地獄だった。
進路というハードルが立ちはだかった。
何になりたい?どんな職業が自分に合っている?
そんなのわかるわけないだろう。
と思った。
就職活動はしたことがない。
専門学校卒業後
整形外科の病院受付のアルバイトを
院長に頼み、そのまま社員にしてもらった。
苦労をしたくなくて何事も逃げてきた。
文字通り、グダグタでダメダメな、青春時代だ。
ただここにきてやっと、初めて思う。
周りが決めようとしなくていい。
遅かれ早かれ、ダメな子だって
子ども自身が自分で決めていくのだ。
結論。親は
子どもにはやりたことをやらせる。
やりたい事がない?
そんなことはない。
今、時間を一番使っていることにヒントがある。
昔の私のように夢が見つからない子どももいると思う。
それでも親は焦っては、決めつけては、いけない。
TVアニメ
メダリストを観た。
目から涙がボロボロ流れた。
「何やってんだよ、バカ親。
子どもの夢をぶち壊しにしやがって」
母になりたての当時の自分と重なった。
あらすじはこうだ。
ダメダメな女の子・いのりがスケートに目覚め覚醒する。
しかし、母親がそれを阻止する。
「(主人公の)お姉ちゃんは芽が出なかった」と
いのりの夢までもを潰そうとする。
そこに現れた、新人の熱血漢のコーチ・司。
僕がこの子に金メダルを!公言する。
この先どうなるか。
超ベタな話と展開ではあるが
引き込まれる。
小学6年の娘の友人たちにも人気があるのも頷ける。
親の反対を押し切って
やりたいことをやっている主人公いのりに熱い応援をしたくなる。
スケートをしている目はキラキラしていて、いつものダメダメな自分ではないみたい。
大人目線で言うと
親からの経済的な支援や、能力の限界があると思い込む事情も、
理解しているつもりだ。
やりたいことをやらせる。
これがなかなかできなかった。
長男の「少年野球をやりたい」を蹴った過去がある。
「週末の家族の時間がなくなる」と表向きには言いつつ
本心は親の当番などの手伝いが心底嫌、だっただけなのだ。
親の都合で子のやりたい事を潰してしまったことを、ここに懺悔する。
そのくせ、次男には少年野球をやらせた。
次男の強い願いにこちらが折れたのだ。
長男だって口にはせずとも熱い思いはあっただろう。
なんて大バカな親だ。私は。
猛省した。
親の都合で子どものやりたい事を潰したくない。
子どものやりたい事には付き合う覚悟を。
現在長男は21歳。いい大人だ。
可能な限りは支援をし、応援したい。
たとえ飽きてもそれはそれでいい。
とりあえずやらなければわからない。
子ども時代なんてあっという間なのだから。