
片付けのプロって言うと
例えば、仮にあなたが片付けをしている横で
タイマー片手に「要るのか?」「要らないのか?」と決断を急かしているイメージかもしれない。
「3秒ルール」なるものも片付けの世界にはあるようで
物を3秒見て、要るのかどうかを決断せよ。
果たしてそんなこと、出来るだろうか。
出来るものもあれば、出来ないものもあるのは当然。
それより、時間を気にするあまり気が急き、
まともな決断ができるのだろうかと疑問に思う。
パッと物を見て感覚的に好き嫌いか、気持ちがあがるかどうか。
例えば洋服は判断できても、書類は好き嫌いでは判断できない。
必要かどうかもまた頭を悩ませる。
特に疲れている時などは、
連続する決断をフル回転で、頭や感覚を疲弊させる事より
ゆっくりお茶を飲んで溜めていたドラマを見たいのは
あなただけではない。私とて同じ。
迷う時間も絶対に必要だと思う。
ただ迷いが積ったものが家の中で散らかり、
片付けを邪魔する事もある。
ではどうすれば良いか。
食べ物と同じように
迷うものに「消費期限」をつける。
期限はできれば1年サイクルで見直す。
1年ってあっという間だが、3年、5年、と伸ばすと
忘れてしまう事が多々ある。
一年間使わなければ、おそらく処分になるが
それでも決められない場合はまた1年後に見直す。
時期はいつでも良いが、
カレンダーに「予約」する方法か
年末年始の大掃除の時に見直してもいいだろう。
時間経過と共に気持ちが変わる。
では、迷うもの全てどんなものでも良いか?と言うとそうではないはず。
回答した鉛筆で書き込んだドリルだって、下の子に譲るおもちゃだって、未使用の靴だって。
あれもこれもと自分の近くに置いておきたい?
あなたが手に抱えられるものには、限りがある。
溢れんばかりの物を持つ事は、1でもお伝えした
見直す手間がそれだけ増える、と言うこと。
迷うものを
置きたいスペース。
置きたい量くらいは決めたい。
ボックス一つ、押し入れの天袋やクローゼットの上段など、
大型備え付け収納の一角に置けば、
スペースをさほど邪魔することなく普段どおりの生活を送れる。はず。
『徹子の部屋』を観ていたら
女優の浜木綿子氏が出演しており
「終活の話」をしていた。
なんと御年90歳。
背筋が伸び、表情も若々しく、変わらずとても美しい。
そんな彼女が「終活が進まない」と漏らしていた。
人はいつ死ぬかわからない。
「終活」と言うと、
高齢の方に向けてのものだと思っていないだろうか?
それは違う。いつだって終活なのだ。
極論だが、
赤ちゃんも若者も、まだまだと思い込んでいる?我々50代も。
全ての人は死に向かって生きている。
ただ、間違っても
死ぬために生きているのではない。
今を生きるために生きているのだ。
ものを減らして生きたい?
それ、本当だろうか?
煩悩・欲だらけの私には到底出来そうもない。
それに一番「死」に向き合いたくないのだ。
夫には先に私がいなくなったら「私のものは全部捨てて欲しい」と伝えてある。
妻の物がいつまでも家にあれば、夫の気持ちもそれを見ては沈むはずだ。
そうは言っても家族は捨てられないのも判っている。
だから、こちらの意思表示だけはしておく。
「迷う」テーマから、だいぶ飛躍した話になってしまったが
生きていれば迷いがあるのは当然。
迷った物だらけになっていないだろうか?
ものは捨てられなくても、迷いは少ない方がいいかもしれない。
一つづつ手にとって「命を使って」いこう。