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2025.05.31ボクらの丁稚物語【ザ・ノンフィクション】レビュー

 

先日、

フジテレビ系列

『ザ・ノンフィクション』

ボクらの丁稚物語

 

を観た。

 

オーダーメイド家具を作る

秋山木工の丁稚奉公(上下)シリーズ。

若者たちが職人を目指すドキュメンタリー。

 

10代、20代のイマドキの若者が

令和のこの時代に、スマホも恋愛も禁止、

寮生活(自宅からも通勤もあり)で、先輩後輩が寝食共に過ごす。

毎度の事だが、

そもそも丁稚奉公の存在がある事自体に驚きを隠せない。

 

何年も観ているが

若者たちが辞めてしまう。

 

 

ああ、もったいない。

せっかくここまで頑張ってきたのに。

と思ってしまう。

 

が。本人達は本人達で

悩み、苦しみ出した決断だろう。

 

つい親目線で

同年代の我が子たちと重ねてしまう。

 

 

 

1   彼らの苦悩する背景

 

彼らは「まだ」10代、20代。

 

大卒、高卒、専門卒、中には中卒、と言う子もいる。

それぞれ、入社するまで

様々な「事情」を抱えている。

 

病気がちなシングルマザーに育てられた。

中高生時代に不登校だった。など。

社会に馴染めず苦悩する背景。

 

そこでやっと見つけた一筋の光。

木工職人になると言う夢を叶えるために

入社する。

 

 

 

2   秋山社長の存在

 

ここで登場する、秋山木工の

名物社長、秋山社長(81)。

 

射抜くような目力、真っ直ぐ伸びた背筋、腹から出る大きな声。

エネルギッシュである。

とても81歳に見えない。

 

入社の条件で30項目の心得を暗記して覚えさせる。

その中には、そろばんの必要性も説かれており

実際にも社員がそろばん検定を小学生に混じって受験する。

今時?と思うかもしれないが

非合理こそ秋山社長の目指す職人像ではないだろうか。

 

中でも

社員が落ち込んだ時に

実家に帰らせるなどのシーンは思わず胸が熱くなる。

沢山の弟子たちを見てきたからこその、愛情だ。

 

基本的に人にあまり興味が無い(深入りしない)ところも、

クスッと、それはそれでバランスが取れていて魅力的なリーダーだなぁ。と思ってしまう。

 

 

 

 

3   職人の登竜門を目指して

 

この回でのクライマックスが

家具コンテスト。技能五輪だ。

若手の職人が目指すプロへの登竜門。

 

ここでも10代の若者が

日々鍛錬した技を磨いている。

 

入社の時に30項目の心得が覚えられず

緊張していた若者。

 

実家の林業との家具コラボを夢見る若者。

 

女手一つで育てた母に恩返しをしたい16歳の若者。

 

それぞれ未熟な部分はあるだけに

どの子も真っ直ぐに生きている姿は感動する。

 

そんな中、辞めてしまう子も多い。

 

10年間と言う先の見えない長い下積み生活が苦しいと思ったのか。

高度な技術に自分の不甲斐なさを感じたのか。

周りの若者の様に生きたかったのか。

 

理由はわからない。

が、

最後のシーンで

「諦めずに残る」と言った言葉が印象的だった。

 

転職が当たり前の時代。

無理に頑張って生きなくていい、

現代の価値観とは少しギャップがあるかもしれないが

 

昭和を駆け抜けた私としては

とても心に残る作品だった。

 

これからの回にも注目したい。