先日、
フジテレビ系列
ボクらの丁稚物語
を観た。
オーダーメイド家具を作る
秋山木工の丁稚奉公(上下)シリーズ。
若者たちが職人を目指すドキュメンタリー。
10代、20代のイマドキの若者が
令和のこの時代に、スマホも恋愛も禁止、
寮生活(自宅からも通勤もあり)で、先輩後輩が寝食共に過ごす。
毎度の事だが、
そもそも丁稚奉公の存在がある事自体に驚きを隠せない。
何年も観ているが
若者たちが辞めてしまう。
ああ、もったいない。
せっかくここまで頑張ってきたのに。
と思ってしまう。
が。本人達は本人達で
悩み、苦しみ出した決断だろう。
つい親目線で
同年代の我が子たちと重ねてしまう。
彼らは「まだ」10代、20代。
大卒、高卒、専門卒、中には中卒、と言う子もいる。
それぞれ、入社するまで
様々な「事情」を抱えている。
病気がちなシングルマザーに育てられた。
中高生時代に不登校だった。など。
社会に馴染めず苦悩する背景。
そこでやっと見つけた一筋の光。
木工職人になると言う夢を叶えるために
入社する。
ここで登場する、秋山木工の
名物社長、秋山社長(81)。
射抜くような目力、真っ直ぐ伸びた背筋、腹から出る大きな声。
エネルギッシュである。
とても81歳に見えない。
入社の条件で30項目の心得を暗記して覚えさせる。
その中には、そろばんの必要性も説かれており
実際にも社員がそろばん検定を小学生に混じって受験する。
今時?と思うかもしれないが
非合理こそ秋山社長の目指す職人像ではないだろうか。
中でも
社員が落ち込んだ時に
実家に帰らせるなどのシーンは思わず胸が熱くなる。
沢山の弟子たちを見てきたからこその、愛情だ。
基本的に人にあまり興味が無い(深入りしない)ところも、
クスッと、それはそれでバランスが取れていて魅力的なリーダーだなぁ。と思ってしまう。
この回でのクライマックスが
家具コンテスト。技能五輪だ。
若手の職人が目指すプロへの登竜門。
ここでも10代の若者が
日々鍛錬した技を磨いている。
入社の時に30項目の心得が覚えられず
緊張していた若者。
実家の林業との家具コラボを夢見る若者。
女手一つで育てた母に恩返しをしたい16歳の若者。
それぞれ未熟な部分はあるだけに
どの子も真っ直ぐに生きている姿は感動する。
そんな中、辞めてしまう子も多い。
10年間と言う先の見えない長い下積み生活が苦しいと思ったのか。
高度な技術に自分の不甲斐なさを感じたのか。
周りの若者の様に生きたかったのか。
理由はわからない。
が、
最後のシーンで
「諦めずに残る」と言った言葉が印象的だった。
転職が当たり前の時代。
無理に頑張って生きなくていい、
現代の価値観とは少しギャップがあるかもしれないが
昭和を駆け抜けた私としては
とても心に残る作品だった。
これからの回にも注目したい。