今では珍しい同居生活。
ある夫婦と夫の親・姑、3人で一つ屋根に住んでいた。
嫁は夫の母である姑に毎日苛立っていた。
「ああ、もう本当に嫌になってしまう」
「顔を見るも嫌だ」
姑の悪口を誰彼構わず、言っていた。
1人の部屋を持つ姑はリビングに顔を出すこともなく
いつも自分の部屋にこもっていた。
たまに遊びに来る孫達。
それが唯一の救いだった。
「おばあちゃん」
特に何かを話すこともない孫だったが、姑は孫を可愛がった。
・・・・・・・
あれから40年。
父方の曽祖母と祖父と祖母の実際にあった三角関係の?話である。
私の祖母と曽祖母は、当時小学生の私からみても明らかに犬猿の仲だった。
3人とも他界してしまったが
最近になって久しぶりに昔の写真を見て懐かしんだ。
みんな孫である私を可愛がってくれ、私は皆のことが大好きだった。
そんな祖母が姑である曽祖母の悪口を聞き、心苦しかったが
月日が経ち、母から祖母も過去に苦労した話を聞いた時は、ぼんやりと納得した。
まあ、そうだよね。
また経験を積んだ今なら、色濃くわかる気がする。
どこにでもある、嫁姑の話、だが
今日の主人公は、嫁の夫/姑の息子である、祖父の話である。
嫁と姑に挟まれ、どんな想いだったろうか。
当時にタイムスリップしたいくらいだが、
私の過去を辿って、つたない想像力だけで話したいと思う。
私が覚えている、祖父の言葉は実は2つだけだ。
一つ目は
9つ下の弟が、おそらく2歳くらいだったと思う、
まだ甘えたい時期でもある弟は、母に甘えた。
そんな時に祖父が弟を呼び寄せた。
それでもママっ子の弟は祖父の呼かけに応じず、無視して母の元に駆け寄った。
それを見た祖父は「このわがまま息子が!」と2歳になる弟に怒った。
二つ目は
「美味しい」これだけ。
子どもが好きな、フライが出るわけでもなく、ハンバーグが出るわけでもなく、パスタがあるわけではない、食卓。地味なメニュウ。
近くの農園で採った、自家製ナスとピーマンが食卓を埋め、
2つ下の弟と「またか〜〜」とずっこけた。
それでも「美味しい」と言い続けた祖父。
・・・・・・
普段は無口であまり喋らない祖父だが、
まだ年端もいかない弟に怒るあたり、ダメだな〜思う反面、
人間らしい一面もあったのではないか。
嫁に気を遣い、母に気を遣いしていたのだと思うと
祖父もまたそれは大変だったのではと思う。
また本心かどうかはわからないが、
嫁の作ったナスとピーマン主体の地味めの食事
何を食べても「美味しい」「美味しい」と言っていたそうだ。
もう孫の時代は終わって、
嫁の立場、として客観的に言わしてもらうと
・姑よりも嫁の肩を持って欲しい。
・男はできる限り無口な方がいい。
・シンプルに平和な言葉を一言だけ欲しい。
そんなもんでいい。
マザコンでも構わないけれど(世の中の男性には違ったら申し訳ないが、男は皆マザコンなんじゃないかって思う)嫁が一番と思って行動して欲しい。
あまり仲介しなくていいが、愚痴でもなんでもいいから嫁の言葉を真摯に聞いて欲しい。
嫁の作ったご飯を、たとえ嘘でも「うまいうまい」と言って欲しい。
きっと姑の立場になったらまた変わるか?
いや、やはり結婚相手を大事にして欲しい。
あまり多くは求めないが
夫には一番に自分のことを想って欲しい。そう願うのである。