以前より、
団塊の世代、またその上の年齢の方(70歳〜90歳ほど)のお宅に片付けサービスで伺うことが増えた。
親ほど歳の離れたクライアントのお宅に伺い、一緒に片付けをする。
実際に家の中を拝見し、思うことがある。
子どものものが、多すぎる。
実家から巣立った子ども、と言っても、
私と同世代、すでにもうおじさんおばさん、の私物。
卒業文集、賞状、結婚前に使っていた衣類、バッグ、コスメ。
30年以上経った、学校の制服やランドセル、美術の作品、なんてものもあった。
いまだに実家に置いてある。ってどうよ。
高齢化社会。
まだまだ、なんて言ってられない。
50歳の自分もそうこうしているうちに「高齢者」になるのだろう。
月日が経つのは早い。
実家に帰ろう。
そして、せめて自分のものだけでも片付けよう。
親の負担がじわじわと増えているはずだ。
実家までの距離、会う時間を作ること。
実家に帰るといっても様々な「ハードル」がある。
大人になった今、
なんだか実家が、居心地の悪い場所になってないだろうか?
結婚するまで実家暮らしだったのに、違和感だらけ。
細かい事を言えば、
部屋の掃除の仕方、夕飯の調理方法や、
エアコン設定の温度までが合わない。
いかに家事や育児や暮らしを確立してきたか。
皮肉にも、こんな事だらけが、目についたりもする。
当然ながら、時の流れとともに確立された価値観は、実家の親と相当違う事がわかる。
片付けもしかり。
いきなり片付けの話は出さない方が良さそうだ。
では何から話したら・聞いたらいいのか?
親が「何に困っていて」それを「どうしたらいいのか?」
・2階にあるテーブルを1階に運んで欲しい
・洗面所の足拭きマットを買いに行きたい
・キッチンの箱買いのお茶を段ボールから出して欲しい
もしこういった要望があれば叶える。
ついでに片付けの提案もしてみる。
2階のテーブルを運ぶ際に、部屋の中の状態を見て
「あの部屋の荷物、古紙があったから捨てとくよ」
洗面所の足拭きマットのサイズを確認する際には
「洗濯機周りに空の容器があったから捨てとく?それとも中身があるなら補充しておく?」
キッチン段ボールに入ったお茶を取り出す際
「古くなったお茶がいっぱいある。定期購買をやめる検討してみては?」
など。
ただ聞くだけでは弱い。
こちらが動く意思を伝えながらも
もし断られたら、すんなり引き下がる。
いよいよ最終的に自分の持ち物を片付ける。
親は困っている。
「本人のものだから手を出せない」と。
10年20年30年と
時が止まったみたいに、そのままだっただろう。
この間、物がなくて困った事があっただろうか?
きっとないはずだ。送ることや取りに来ることも皆無のはず。
もうほとんど捨ててもいいのではないだろうか?
本当に必要な物なら自宅に持って帰るべし。
実家でありながら、自宅ではないのだから。
親と子でも離れて暮らせば、これまで当たり前だった暮らし方や考え方も変わってくる。
それぞれが納得感のある片付けになれるよう、今後もサポートしたいと思う。