「男の子って育てるの大変でしょう」
もう何百回、何千回聞いただろう。
我が家は6人家族、4人の子どもがいる。
上が3人男で一番下が女だ。
(大学生2人、高校生1人、小学生1人)
男の子3人+女の子を育てること。
男の子「だから」、「大変」。という言葉にいつも妙に引っかかる。
ああ、私って面倒くさいババアだ。
自分だって逆の立場だったら、そうなるだろう。
ウジウジ言っている私に「こんなのただの“挨拶”だと思え」主人が私に言った。
そうだろう。その通りだ。
けど、男の子だって色々いるんだよ。
いつも心の中で思う。
穏やかな男子たち。と、気の強い末っ子の娘。
信じられないかもしれないが、
我が家の子どもの兄弟喧嘩は、長男次男が小学校高学年時に「一回だけ」だ。
帰宅したら2人が何が原因か忘れたが、口喧嘩していた。
仲裁にはいり、いっときは収まった。
が、喧嘩は口喧嘩も含め、
それ以前にもそれ以降にも、ない。
私自身、兄弟は弟が2人いて、2つ下の弟とは
小学校の頃は取っ組み合いの喧嘩をよくしていた。
泣きわめいたり、髪の毛を引っ張ったり、ものを投げて壊したり。
だからきょうだいっていうのは、喧嘩が絶えない
良くも悪くもくっついたり離れたりするもんだ。と思っていた。
で、自分が子育てしてみて、びっくりした。
喧嘩しないの?子ども達よ。
喧嘩もしなければ、必要以上に接触しようともしない。
接触しないということは、そもそも相手にしないから喧嘩にもならない。
ということが、やっと最近になってわかった。遅っ。
個人個人で生きている。
そんな印象だ。
物心ついた頃から
甘えることもあまりなく、怒ることもあまりなく、泣き叫ぶことは4人とも今となっては全くない。波が立たない海、のようだ。
元々気性が激しい私は「そんなの寂しくないか?」「つまんなくないか?」なんて思うこともあった。
が、それでいい、と、今は納得している。
というのも
全くきょうだい同士の興味がないか?といえば、そんなこともなさそうだ。
長男次男は歳が二つ離れているので、他のきょうだいよりも近い存在らしく
接触をあえて避けている様だ。すれ違うとお互いに嫌な顔をする。
けれど同じテーブルで無言で食事はする。
放ったらかしが本当はいいと思うのだが、
おせっかい母としては、たまに伝書鳩のような存在で「次男に譲ってやってよ」「お兄に頼もうか」
兄弟間が話さなくても、こうやって時々コミュニュケーションをはかりたくなる。
ツンケンするのもお互いが気になる証拠。成長の証。
三男の進路について本人にアドバイスする大学4年の長男。
三男にいきなり体全体でタックルする体育会系次男。
末っ子娘は次男には呼び捨てで懐いている、今日あったことを2人で会話する。
そこには、「心配」も「手加減」も「会話」もそれぞれだが、ある。
以前
末っ子と三男をつい感情に任せ、怒りすぎてしまったことがあった。
怒りすぎたことを三男と娘に詫びたら、
三男が涙を流しながら
「僕のことはいいから、さっちゃん(妹)のことは、もう怒らないで」
と言われた時には、本当にガクンと猛省し、落ち込んだ。
それから怒る時には気をつけている。
子どもに恥じない様に生きるのだ。
きょうだいの形はさまざま。
男だから、女だから。
子どもだから大人だから、も関係ない。
それもそのはず。
どっちが子どもか大人か。わからない。
まさに
青は藍より出でて藍より青し。
なのだ。