もう発行終了、になってしまったが、
警備会社のALSOK会報誌『Always』という雑誌の
連載を2年以上、片付けの企画提案、記事の監修でお世話になった。
編集の方とはAlways以前からの長きにわたっての付き合いだ。
コロナ禍の行動制限のある中での時期も共に乗り越えてきた。
先日、自宅の古い雑誌の整理をしていたら
Alwaysを発見し、
懐かしさのあまり手を止めて読み耽ってしまった。
ALSOKをご利用になっている、雑誌の読者層はシニア層。
当時『終活』という言葉が、まだそれほど広まっていない頃である。
片付けに対する意識も
ものを大事にする世代だからこそ、捨てることに抵抗がある、
「捨てる」ことが苦手な人が多いだろう、ということで
「捨てられないシニア」にどうアプローチするか?をテーマに
Q &A方式の悩み相談企画や悩みのアンサーなどを監修した。
特に企画の一つに
『すぐできる!3ポイント片付け術』という記事で片付けの企画をした。
キッチンや洗面所やクローゼットなど場所ごとに
悩みを解決する記事と共に
ビフォーアフターの写真をつけてビジュアルにも楽しめる工夫も盛り込んだ。
企画の段階で
ビフォーアフターの写真はどこで?どうする?
という一つの問題が発生した。
まさかリアルなクライアント宅は負担・リスクが大きすぎるし、現実的でない。
かと言って編集の方にサクラになってもらうことは出来まい。
ということで最終的に我が家がモデルルーム?になってビフォーもアフターも
写真提供することになった。
雑誌の企画裏話では案外あることだ。
ぶっちゃけ、ツテを頼って友人に、などのサクラもある。
けれど今回は、我が家か。。初めてだ。
どうなるか、見切り発車のまま撮影に臨んだ。
自分自身は片付けの仕事をしているので
散らかった空間を一気に片付ける。
ここでいう、アフター写真の状態に持っていくことは朝飯前。
だが、問題はビフォー写真である。
散らかった状態の空間にする。
これは経験してわかったことだが、なかなか難儀だった。
撮影日まで
近所にある、夫の実家からフライパン鍋や洗剤やタオルなどなど、
大量に散らかす「材料」をお借りして
その企画ごとの必要な荷物をカートに積んでよいこらせ、と運ぶ。
で、散らかすために自宅収納内に荷物を入れ込む。
散らかすって案外むずい。
なぜなら片付けが得意でない人は
「散らかす」というよりは「散らかる」からだ。
気づいたら散らかっていた。という状態にしたい。
自然な散らかしかた?を悩み抜き、
散らかった人に、一回自分が“憑依”することをしてみた。
頭の中は?置き場所は?どう置く?
ええい、何も考えない方がいいのか。それとも。。
頭の中はまさにぐちゃぐちゃ。整理ができていない。
それでもなんとか、借りてきたものや自宅にあるもの、全てを入れて、
雑然とした空間を作り上げた。
その状態を見た編集の方から「(散らかすの)うまいですね!」と褒めれた時は
なんとも嬉しい様な複雑な気持ちではあった。ハハッ。
ビフォー写真を先に撮影し、
その後、私が片付けをしてから、アフター写真を撮影。
そんなことを何回か連載で掲載してもらった。
片付けを発信して約12年目になる。
12年目というと節目の年でもある。
その間、片付けられない人に寄り添ってきたつもりでいたが
ここまで貴重な経験もなかなかない。
自分は本当に片付けられない人の気持ちがわかっているのか?
何度も問うた時間であった。
Alwaysの関係者の方には
長い間、携わっていただき本当に感謝する。