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ドラマ
『阿修羅のごとく』
第5話レビュー
一人暮らしの父の家に
三女滝子の恋人・勝又が一緒に住むことになった。
勝又が肉じゃがを作り、父に振る舞う。
甲斐甲斐しい勝又。
興信所で父の浮気を調べたのは自分だと告白する。
そんな父に勝又は
結婚したら、一生浮気しない。と宣言する。
勝又と結婚することになった滝子。
だが、どうしても結婚式に妹の咲子を呼びたくない。
羽振の良さを見せつけられて、気に食わない滝子だったのだ。
そんな子供じみた滝子の考え方に姉の巻子・勝又も反対する。
皆からも反対されつつも結婚式をすることになった。
・・・・・・
滝子「なにこれミンク?」
咲子「アメリカンレッドフォックス」
滝子「キツネがキツネを着ているってわけだ」
・・・・・・
滝子「言葉を正確に使ってよ」
咲子「お兄さん?ふふ。軽い意味で言ったんじゃない」
滝子「じゃあ、魚屋のお兄さん、寿司屋のお兄さんと同じなの?」
咲子「ああ、滝姉ちゃん」
滝子「ねえ、咲子。男の職業ってのはねえ、お金だけじゃないのよ」
・・・・・・・
(新郎である勝又にワインをかけてしまった陣内に)
滝子「帰って!あんたたち帰ってよ!あんたたちが帰らないのなら私たちが帰る」
・・・・・・・
料理や食事のシーンは、是枝監督の劇中でも好きなシーン。
肉じゃがなど、どこにでもある家庭料理を見事に「料理」している。
そして向田脚本の、会話の妙がなんとも言えない。
たわいのないやり取りが、時代を超えてもなお、面白みに感じるのはリアリティの追求だろう。
姉妹だからって仲がいいとは限らない。
むしろ近しい関係だからこそ、衝突するのだ。
真逆の性格の三女・滝子と四女・咲子。
女同士の嫉妬を見事に描いていると思う。
三女と四女だけではない。
長女・綱子と次女・巻子のやり取りもまた見どころ。
既婚者の愛人である、綱子。
夫に浮気をされている巻子。
特に今回、
綱子の家に愛人枡川がいる時に
障子にワインをかけて二人で笑うシーンは印象的。
枡川が、(ワインを)かけていいよ。直すから。と綱子を促す。
(次の日枡川が不器用ながらも障子を張り替える)
また次女巻子の夫・鷹男が浮気相手と巻子が病院で鉢合わせするシーンもすごい。
手当が終わった鷹男に二人が同時に
「タバコ?」
「水?」と揃って全く違う言葉を発する。
鷹男の答えはいかに?
少し大胆になることが、また人間としての面白みだろう。
窮屈に「大人」という殻に閉じこもって、
我慢したり、立場を貫くだけでは、人間の奥行きを感じない。
鷹男に指で「バーン」と向ける巻子の表情も
どこか余裕があり、妻としての立場を貫きつつ、
嫉妬をうまく表現した、そら恐ろしいドラマ、である。