
Netflix
ドラマ『阿修羅のごとく』
ドラマレビュー
今日は第4話
冒頭のシーンでは、ぼんやりとスーパーで買い物をしている次女・巻子(尾野真千子)。
カゴに入れるはずの商品を自分のバッグに入れるところから物語は始まる。
万引きをして店員に捕まってしまった。
店員に自分の名前は決して明かさないが、
さも自分が被害者かのように
夫の不倫相手・赤木啓子(瀧内公美)のことだけは立板に水の如く喋り出す。
夫に不倫をされた、女の執念の話である。
巻子たちの母、亡きふじ(松坂慶子)も、また夫の不倫で辛い過去を背負って生きてきた。
四姉妹の中では特に専業主婦という家庭を守りながらの母の存在に一番近い、巻子。
そんな巻子の心の内を知ってか知らずしてか、
巻子の夫・鷹男(本木雅弘)はソツなく生きている。
会社でも成果を出し、家庭でもいい父親。舅に対しても仲間意識からか上手く立ち回れる。
男のずるさ、を上手く描いている。
そんな鷹男とは対照的な人物、
三女・滝子(蒼井優)の恋人、勝又静雄(松田龍平)の存在。
不器用極まりない二人のやり取りは、また一興。
勝又と出会うまで、恋愛に無縁だった滝子。
鏡の前で、つけまつ毛をして口紅を引くも
慣れないメイクで却っておかしな顔になって落ち込む滝子。
そんな時に勝又が突然訪問する。
あわてて「今パックしているの」とドア越しに断ろうとするも
「見たい」とナチュラルに言葉を発する勝又のピュアさに、胸を打たれた。
顔を見せない、すりガラスのドア越しの二人の会話。手だけを出して繋ぐも不器用な二人。
結局、滝子は勝又を追い返してしまう。
いいなあ。キュンとする。
滝子以外の姉妹は、それぞれ抱えるものはあっても、華やかで色気がある。
が、とりわけ滝子に関しては地味で、派手さとは無縁。
が!
50を過ぎた妻歴25年以上の私が思うに、
一番、妻(や家庭)を幸せにするのは勝又のような男だ。
これは断言できる。
お金でも、社会的地位でも、見た目の良さ、でもない。
そんなものはいつしか歳と共に風化/変化していく。
劣化しないのは、
見た目の美しさとは真逆な、本質的な「とらわれない誠実」な心。
妻が長く幸せでいられるのはそんな心意気がある、
見た目がとにかく地味(ダサいくらい)な男、なのだ。
滝子が勝又にキツく当たるシーンは思わず笑い転げてしまう。
ああ、滝子気づいてほしい。と画面に向かい勝手ながら思ってしまう。
父(國村隼)が寝タバコでぼや騒ぎになったのをきっかけに、娘たちは片付けをする。
形見分けをしてきた時に発見された、母の残した着物に挟んでいた、春画。
鷹男の不倫相手と娘と思わぬ形で出かけたお土産のアクセサリー。
愛人としてのプライドか、愛人の店に電話をかけて浮気相手の妻に痕跡を残す長女・綱子。
後継の息子が生まれるまで4人目として生を受けた、四女・咲子(広瀬すず)の存在。
それぞれの「爪痕」が残る形になりつつも、問題を抱えながらも生きていく。
ダメなところや、だらしないところも含め、
綺麗になんて生きていけるはずがない。
今回、そんなメッセージを受け取った。