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2025.12.14ドラマ【阿修羅のごとく】第3話レビュー/浮気発覚

 

 

Netflix配信

 

ドラマ

『阿修羅のごとく』

 

第3話レビュー

 

 

前回は新聞。

今回は電話。がキーポイント。

 

時代は変われど、人の行いは変わらず。

 

 

 

 

1   浮気発覚女の態度

 

次女巻子(尾野真千子)の夫・鷹男(本木雅弘)が浮気相手と間違えて

自宅に電話をしてしまい、受話器をとった巻子。

浮気が確実になる。

妻が「自分が愛人だと思い込んでいる」夫に対し呆れて笑っているシーンが何ともリアル。

 

 

それに加えて

四女・咲子(広瀬すず)が同棲相手の浮気現場を見た時のシーンもまた、すごい。

浮気相手が部屋に居ながら、まるで「存在」が無かったかのように、断食をしていたボクサーの同棲相手陣内(藤原季節)に大好物のラーメンを食べた事「だけ」叱責する。

 

 

(一見何不自由なく見える)家庭をもつ、巻子。

(同棲はしているが)家庭をもっていない、咲子。

 

 

浮気発覚後の、

それぞれの女の表情や態度が違えど、

怒りの中に、どこか「白けた部分」冷静さがあるのが興味深い。

 

脚本・向田邦子氏のリアルな観察眼、だろう。

 

 

 

 

2   愛すべきダメ男たち

 

4人姉妹のそれぞれの恋模様を描いている。

 

表面上は幸せそうな「お面」を被っているが、

その実はゴタゴタが絶えない。

 

 

華やかな他の姉妹とは毛色が違う、三女・滝子(蒼井優)。

真面目で少し神経質。

 

相手の男性・勝又(松田龍平)も、また存在感がなく

長女、次女から「なにまたさん?だっけ」と

いつまでも名前を覚えてもらえない。

 

そんな勝又、三女にアプローチするため

調査した書類を公園で燃やし、ボヤ騒ぎまで起こしてしまう。

不器用で思わず応援したくなる。

(なんか大好きだなぁ)

 

いずれにしても、それぞれの男たちのダメさが

今回の見どころ。

 

長女の不倫相手(内野聖陽)の妻(夏川結衣)との鉢合わせで、長女を差し置いて自分だけ保身したり。

次女は愛人の存在を知りながら「知らぬふり」を決め込み。

三女は不器用な恋人にイライラし。

四女はうだつの上がらないボクサーをいつまでも信じ。

 

また、父も愛人(戸田菜穂)から別れを告げられ落ち込み。

母も一見穏やかそうだが、父の浮気相手の家まで気になり、来てしまう。

 

3   男の代弁

 

巻子の自宅。

傷心の咲子と巻子二人を前に、鷹男が口を開く。

 

 

・・・・・

 

「気持ちわかるんだなぁ。

いやぁ、その(ボクシングの真似)これのさぁ。

こんな事言うと、咲ちゃん怒るかもしれないけど、

咲ちゃんみたいに、気ぃ遣われたら

男としてはかえってつらいよ。

 

小説家が知り合いにいないから、想像で言うんだけど

小説書くだろ。

それをそっと女房が読んで間違い直されたら、

どんな気する?

 

亭主が脂汗流して苦しんでは

ハナボコチョウチョウチンで寝てる。

 

そりゃそう言う女房の事、

亭主が「バカのどうの」悪く言うよ。

でもさ、言いながらホッとしてんだな」

 

巻子「だからって。ラーメン食べて浮気して良いって事?」

 

鷹男「そりゃ悪いよ。でもさ男の理屈って言うのは理屈じゃない。そう言うもんだ、って話」

 

 

明らかに咲子よりも

ぼんやりした顔立ちの口調の遅い、浮気相手に

勝った負けた、と挑む女たちに対し、

多少抜けていても(いや抜けているからこそ)、拠り所が欲しい男たち。

 

 

 

夫のスマホを見ては浮気がバレる。

よくある話。

 

時代背景とは違っても、

やはり、人の心情、行動は同じ。だろう。

 

 

それにしても、すごい役者揃い。