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2025.09.28ドラマ【北の国から】第24話レビュー/ルールルルル

 

日曜日は

片付けの手を休めて

 

 

ドラマ

『北の国から』

を。

 

 

第24話。最終回。

 

 

 

 

1 名シーン 帰ってきたキツネ

 

 

母・令子の葬儀が終わり、

東京から富良野に戻った純と蛍。

電車から駆け足で父五郎の元へ駆け寄るシーンは印象的。

 

完成された丸太小屋にはしゃぐ二人。

夕飯時、蛍からの提案で

台風で屋根が飛んでしまった住んでいた家を3人で見に行く。

 

半壊した家に驚く子供達。

「最初に来た時みたい」とショックで落ち込む。

 

 

家の中での純と五郎の会話

 

・・・・・

 

五郎「なんだか懐かしいなあ。ここで一年頑張ったんだもんな。

純、まいっているか?」

 

純(首を振り)「大丈夫です

 

五郎「そうか。(純を抱き寄せ)強いな。父さん、まいっている。

男が弱音をな、 は、吐くもんじゃないがな、しかしな。まいっている。許せ。今だけだ。つらいな。大丈夫。つらいな」(涙交じり)

 

 

・・・・・・

 

しんみりしたムードの中、外に出ていた蛍が「キツネがいる」と

家にいる二人を呼ぶ。

一度は死んだと思っていた、左の前足が無いキツネが帰ってきた。

 

過去には純が石で追いやって寄り付かなくなった、

笠松の爺さんの虎バサミ(罠)で足を無くしたキツネ。

 

 

 

 

2 一年の成長

 

過酷な大自然の厳しさにも耐え

何も無いところから

試行錯誤の末に水道が通り、風力発電で電気がつき、動物の生命力に感動し。

 

 

東京で前の先生に純たちが偶然出会うシーンがあるが

他のクラスメイトとの“格差”をまざまざと見せられ

「前は好きだった先生が、今は違って見えた」

先生が変わったのではなく、僕が変わったのだ。と。

 

 

都会と田舎の暮らしの違いを肌で感じる純。

また成長のさなか“男としてどうなんだ”を突きつけられ。

 

最後のシーンで

純は亡き母への(返信)メッセージとして

「母さんつらいよ。とっても寂しいよ」と始まっている。

 

ここで先ほど伝えた、五郎が純に発した弱音を思い出す。

 

「つらい」と言葉にする。

 

これでいいんだなぁ。と深く納得する。

 

 

大人の男(または人として)になるには、強さ、だけでは生きていけない。

草太のボクシングの試合のように、結果負けても立ち直っていく姿に感動する。

弱さを素直に出せることが、人間のあり方なのかもしれない。

 

 

とにかくリアリティを追求した作品である。

 

一輪車の石を乗せて運ぶシーンも子供だからって甘やかさなかった。

草太のボクシングのシーンもプロ相手に本気で挑んだそうだ。

そしてキツネが戻ってくるシーンも。

 

 

(これらは『「北の国から」ガイドブック』に書いてある撮影裏話から抜粋した)

 

 

男というのは〜、北の大地の美しさは〜、子育てとは〜、と

しゃあしゃあと“したり顔”で語らないのが、この作品の最大の魅力だろう。

 

 

純のメッセージの最後には

「母さんがきれいだと言っていた雲」はどれか蛍と話している。と締めくくっている。

 

 

 

 

3 エンドロールの潔さ

 

最後のエンドロールでも関心を寄せた。

 

50音順に名前が並んでいるだけ、なのだ。

倉本氏も、さだ氏も、杉田氏も。

「出演者」「撮影」「脚本」「美術」「音楽」「プロデューサー」もなく

すべて同列に名前が並んでいるだけ。

 

ただし、オープニングクレジットでは細かに記載がある。

 

 

この潔さ、最後まですごいなあ、と思う。

上も下も、横も縦も、大きいも小さいも、無い。

確かに、ひとりの「子役」じゃなく、立派な「俳優」だもの。

 

 

 

最後に。

最初は24話も観られるか?と思ったが、観てよかった

一話づつ感想を書けたのも何か(ん、何だろう?)残ったようにも感じる。

長くお付き合いいただき、感謝。

 

 

スペシャル版でも、引き続き感想レビューを書きたい。

今後とも、ご贔屓に。