日曜日は
片付けの手を休めて
今回23話。
何度見ても号泣してしまう。
母・令子の葬式の準備が慌ただしく始まった。
大人たちが準備に追われる中、純と蛍は落ち着かず居場所がない様子。
しかも霊前には恋人・吉野がずっとうなだれて居座っている。
父・五郎は純たちよりも1日遅れて令子の元へ来たものの、
令子の顔を一瞬見ただけで
慣れない台所仕事をして周りから煙たがられる。
「ダメだよ、父さん」純にも呆れられる始末。
居場所のない純と蛍が公園の遊具にもたれ座っていると、
向こうの砂場で、同じように下を向いて座り込んでいる吉野の姿が。
吉野は純たちに気づき近づいて声をかける。
「おじさんは終わった」と。前妻も3年前に無くしている。息子二人を残して。
そんな時、吉野が純の履いているスニーカーに気づく。
吉野「いつから履いているんだ、そのスニーカーさ」
純「去年の10月。ずっと履いているからもうボロボロで」
吉野は、近くの靴屋で純と蛍に新しい高いスニーカーを買う。
遠慮する純(蛍は拒絶)に「母さんの葬式に汚い靴を履いて行ったら母さん悲しむ」
と半ば強制的に靴をすすめる。
履いていたスニーカーは、というと、
捨てることを一瞬躊躇した純。
大人たちに「捨てる」一択で、段ボールに投げられた古いスニーカー。
この回の見どころは、特に純から見た
吉野と五郎の対照的な「大人のあり方」だろう。
純は、令子の入院中に一度吉野に映画と遊園地に連れて行ってもらい、吉野のスマートな立ち居振る舞いに、一種の憧れのようなものを抱いていた。
靴屋でデザインのいい高いスニーカーを買ってもらったのも、純には内心嬉しかっただろう。
対し父五郎は、一年前に富良野の町で
スニーカーを買うのもデザインではなく
ワゴンの中から一番安い靴を選び「これが最高!」と笑って
純たちを煽ててこちらも半ば強制に純たちに履かせる。
葬式が始まった。
蛍が純にこっそりと「あの古い靴さっきのお店にあるかな?」
二人は心が痛んでいた。
冬の期間を除き、雨の日も風の日も寒い日も雪解けのどろんこの日も学校に行く時も畑仕事の時も、ずっと足を守り、すり減り何度も洗い、糸が切れると父さんが縫い、一年生活を共に歩んだスニーカー。
そんな靴を父さんの許可なしに捨ててしまった事に後悔する。
正座をしている五郎の靴下は穴が開いており。
「建前」を大事にする吉野とは対照的に
「足りない」だらけの五郎だが、必死で子供を育てている。
過去に令子の美容院で不倫現場を目撃した蛍と五郎だが、
蛍は許せなかったが、五郎は許していた。
しかも(自分のことを)許して欲しかった。と。
五郎は令子の前で一人で泣いていた。
たった1日しか居なかったことで周囲から
「五郎には誠意がない」となじられるも、清吉が口を挟む。
「それは違うんじゃないですか」と
早く来たかった。交通費の工面をするために、必死だった。
純たちは飛行機で来たが、五郎は一昼夜、汽車で来た。と。
お金を手に入れるために、何日土に這いつくばるか。
最後のシーンがとどめを刺す。
夜、靴屋で捨てた靴を探している二人に
警察官(平田満)が声をかける
「何してんの、お前ら」
純が事情を話すと、次第に警察官の表情が変わる。
少し訛りのある警察官。
彼もまた同じような境遇で育ったのかもしれない。
警察官が純たちと一緒になって捨てられた靴を探す。
これまで気丈に涙一つ流さなかった純の目が潤んだ、暖かいシーン。
いや〜〜、、これはずるい。ずるすぎる。
涙腺崩壊。
来週はいよいよ最終回。