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2025.08.31ドラマ【北の国から】第20話レビュー/ピクニックの風景

 

 

日曜日は片付けの手を休めて

 

ドラマ

『北の国から』を。

 

 

今回、第20話。

 

UFOを見に行った、蛍と教師の凉子。

蛍を連れ去り、さらに遭難事件として新聞に掲載され、凉子が針のむしろに。

さらにはテレビ局まで蛍の取材に来て、大騒ぎに。

 

 

 

 

 

1 名シーン スパゲティを川に捨てる蛍

 

駒草のホステス・こごみに会うために足繁く通う、五郎。

その甲斐あってか、こごみと五郎の仲は急接近する。

 

そんなことも知らず、蛍は自分の作った弁当を父に渡そうとしたが、

こごみと五郎の仲睦まじげな2人の昼食(こごみの作った弁当を食べる)の様子を

草むらから見つけ、蛍はショックで弁当を渡せない。

 

おばである雪子に調理の手ほどきを受け、一生懸命作ったのに。

自分で作ったそぼろ弁当を、川に捨ててしまう。

 

その後、五郎はピクニックを計画する。

こごみを誘って、純と蛍の4人で出かける。

 

滝の前を渡る4人のシーンは印象的。

ラベンダー畑の家族シーンもまた良いが、これもまた最高!美しい。

 

問題はその後。

 

こごみの作ったボンゴレスパゲッティを、蛍が川に捨ててしまう

「魚が喜ぶ」と言って。

「雪子おばさんは料理とても上手だよ。毎日とても美味しいもの作ってくれる」

 

五郎の浮かれた「こんな美味いものは久しぶりだ」と言ったことに対する反抗。

 

 

ピクニックに参加しなかった雪子に対する申し訳なさ、

父のこごみに対する「軽薄」な態度への怒り、

自分の作ったお弁当を捨ててしまった悔しさ、など。

 

20話では、特に蛍の演技が際立っており、

もはや子役を通り越して、女優。

蛍は(純もだが)すごい。

 

 

 

 

2 繋がっていない家族

 

本当は、五郎と雪子おばさんが「くっついて」欲しかった純と蛍。

その想いは叶わずにはなったが。

 

これまでの雪子の想いはどうだったのだろう、と想像した。

 

雪子は五郎の前妻・令子とは「腹違い」の妹。

前回五郎と令子は正式に離婚し、五郎たちとも家族ではなくなった。

雪子は東京での不倫の末、傷心で富良野に「純と蛍が不憫だから」という理由で

世話をして一緒に暮らしている。

だが、丸太小屋計画の中に雪子の部屋はない。

 

草太にはアプローチされ心が揺らぐも

草太の両親からは「東京もん」ということで歓迎されない。

 

なかなかの踏んだり蹴ったりの人生だ。

純と蛍には「お母さん代わり」として逞しく生きている。

これまでの、唯一の居場所が「五郎たち」だったはず。

いつでも1人になる覚悟は決めていても

 

血も繋がっていない、戸籍上も繋がっていない、それでも

これは「家族」としてのカタチなのかもしれない。

 

 

 

3 信じる富良野の優しさ

 

UFOの一件で、蛍がTVの取材をしぶしぶ引き受けた。

母がTVを見てくれるかもしれない。そんな純粋な気持ちからだ。

 

中畑家で皆が集まってTVを見る。

(今の時代、そんな風景はなくなりつつあるが)

 

蛍がTVに映ると、どっとお茶の間が盛り上がる。

が、TVのコメンテーターが蛍や教師の凉子の行為に対して辛辣な言葉を吐く。

次第にそれを観ていた皆の表情が沈み、怒りに変わる。蛍は涙を流す。

(個人的に脚本の倉本氏のTV制作批判も含まれていると想像する)

 

落ち込む蛍。

五郎は蛍を慰める。

「腐るな」「忘れろ」

「自分が見たことを信じればいい」

皆、信じている」と。

 

や、、やっさ、優しい〜〜。涙。

 

 

信じようor信じない、はUFOではなく、蛍に対してだ。

富良野の皆の優しさ。

 

 

ああ、富良野、北の国から、みんな、大好きだ。