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2025.08.10ドラマ【北の国から】第17話レビュー/空知川をかける蛍

 

 

日曜日は片付けの手を休めて

 

ドラマ

『北の国から

 

今回、17話。

 

丸太小屋を作るシーンから始まる。

純たちの通う分校が廃校になる。

麓郷の環境も変わりつつ、

 

雪子おばさんが帰ってくる。弁護士本多と一緒に。

その理由は正式に五郎と令子の離婚を進めるためだった。

五郎は子供達に令子と会わせる約束をし、

父と母どちらについていくか?を二人に委ねる。

 

 

ラベンダー畑の令子、純、蛍のシーンは美しい。

純は令子についていこうと心に決めるが、蛍は。。

 

 

 

 

1 名シーン 空知川で走る蛍

 

ラベンダー畑で、令子が蛍の腕を掴もうとするが蛍はそれを振り解く。

母にそっけない態度を取り続け、令子のホテルに一緒に泊まることも拒否する。

しまいには純に「お前は冷血動物だ」と言われてしまう。

 

令子の頼みであるお墓参りにも一緒に行かない、帰りの汽車の見送りにも行かない。

3:34分 富良野発の汽車。

 

弁護士本多の話を聞きながら、

ぼんやりと令子が車窓から眺めている空知川。

 

そこには

電車を追いかけて川沿いを必死でかける、蛍がいた

大粒の涙を流しながら。

 

草太に頼んでこっそりと車で、見送りに来ていたのだ。

 

 

 

 

2 五郎の子育てはどうか

 

そんなことも知らない、父五郎。

帰ってきた蛍に「具合は良くなったのか?」と

蛍が仮病を使って母に会おうとしない態度に怒っていた。

 

無言のまま、2階に上がり布団を被り号泣する蛍。

 

近くある、いかだ下りの話をするために

草太が五郎宅の家に来た時、口の軽い草太がうっかり話し五郎にバレる。

驚く五郎。

 

さらには

帰りの車で送った時、蛍が草太にポツンと言ったことを、五郎に伝える。

 

「自分たちよりか本当は今、父さんが世界中で一番可哀想なんだって」

 

 

ううっ、、蛍よ。なんて優しい子なのだ。

涙が出る。

 

 

担任の凉子も、ラベンダー畑に学校に立ち寄った令子に話した。

「なによりお父様の育て方が素敵です」

北海道のいい景色しか知らない“内地”の人にはわかるまい、厳しい環境にも

「辛かったと思いますよ。この半年は。二人ともよく耐えました」と。

 

 

病気の妻との離婚、これまで妻任せだった育児を父が全て請け負うこと、

子どもとの心が通うか思い悩むこと。美しくも厳しい自然との共存。

 

これまで愚痴一つ言わなかった五郎の気持ちを、誰よりも汲んでいる蛍。

母と離れて辛い思いをしているのは自分だけではない。

 

 

五郎の子育ては、一見無骨で荒っぽいかも知れないが、それだけではない。

 

なにより、こんなに優しい子に育っているではないか。

五郎や、他の暖かい人間関係、環境が育てた、のだ。

 

 

 

 

3 子どもを一括りにしない

 

草太の話を聞いたあと、家に戻り、純に声をかける五郎。

 

まだ怒っているであろう純に

「まだ怒っているか?」

「けどな、人はぞれぞれ悲しい時に悲しさを表す表し方が違う。

人前で平気で泣ける奴もいれば、涙を見せたくない。そういうのもいる。

蛍にとって母さんとは別れるのが、辛くないことだとお前は思うか?

何も言わないでも、もしかしたら蛍はお前や父さんよりももっと辛くて。

だから送りに行かなかったかもしれんぞ。 そうだろ。違うか?」

 

2階に上がって、純が蛍の寝顔を見ると

ラベンダーの花束を抱えて、涙で顔を濡らしている蛍がいた。

 

 

子どもだから、きょうだいだから、といって

「子育て」を一括りにしていないだろうか

 

子どもとて、それぞれの個性があるのだ。