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2025.06.29ドラマ【北の国から】第11話レビュー/男たちの喧嘩

 

日曜日は片付けの手を休めて

ドラマ『北の国から』を。

 

 

第11話は

純と正吉の喧嘩、草太の喧嘩、つららの失踪、と

トラブルが続く。

 

その中でも

小松政夫、蟹江敬三、ほかの名脇役陣の演技に心奪われた。

 

 

ある日、正吉が中学生と共に純を呼び出し、いじめる。

追い討ちをかける様に

“五郎と雪子ができている”と皆があらぬことを吹聴した正吉。

純は正吉に復讐を企てるため、草太に喧嘩の仕方を教わる。

 

最初は純を相手にしなかった草太だが、純の話を聞くうちにその気になった。

草太は、雪子を、また自分が侮辱された噂が許せなかったのだ。

純は仕返しに成功したが

 

噂は町中に広がり、

飲み屋で知り合い(石丸謙二郎 他)に会った草太は、その噂を聞き喧嘩になる。

 

 

 

 

1 名シーン 取調べの会話

 

警察署に連行された草太。

緊張しつつ心許ない様子。

 

そこで鼻歌を歌いながら入ってきた

刑事(蟹江敬三)と昔の喧嘩相手だったことを知り、親近感を抱く。

 

このやりとりは何度も見たい、名シーン。

 

・・・・・・

 

刑事「北村草太、さん?  26歳。

富良野市八幡丘、かぁ。

(タバコを吸う。ライターを机の上投げる)

なにやっとんの、いつくにもなって。」

 

草太「すいません」へこへこする

 

刑事「覚えておらんか、おらの顔」

 

草太「いえ・・」

 

刑事「よくやったべさ、昔。農業高校だべ?」

 

草太「はぁ」

 

刑事「おら富良野高だ」

 

思い出す草太。

 

・・・・・・

 

昔を懐かしむと同時に、農業経営の厳しさ、嫁の来ない田舎の現状に嘆きつつ、

「ボクシングしとったら狂気だぞ、この腕は!」と草太に圧力をかける。

 

この3分ほどのシーンで、ゲキを飛ばす、静かに諭す、タバコを渡して仲間意識を芽生えさせる、自分の過去を振り返り農業をやりたかったと心のうち(弱さ)を見せる、などなど。

蟹江敬三の魅力をたっぷりと堪能できる。

 

 

静けさと動乱。

 

息を呑むほど、緩急のある二人のシーンだ。

 

 

 

 

2 喧嘩しない男 タケ

 

もうひとり、このドラマの空気を変える男がいる。

草太の牧場仲間で先輩のタケこと、川島竹次(小松政夫)の存在。

 

女好きで調子もの。

草太の恋愛相談にいつも乗っている。

 

草太の恋人・つららからの相談で、心が離れた草太とヨリを戻すために

喫茶店で待ち合わせるために調整する(が、草太はつららと向き合わない)

人の心に寄り添う優しい男でないの?と心が動くも、

 

実は草太を喫茶店に行かせようとした、もう一つの魂胆があった。

 

五郎の家を訪れ、雪子にアプローチしていた。

五郎とも初対面、たった1日前に会ったばかりの雪子に風邪薬を渡していた。

草太には、あれだけ雪子の事を「やめとけ」と言っていたのに。

 

タケ本人は雪子の手を握り、五郎の家に入るなり「ひどい家」と罵り、声をかけた純にも不審がられても。

自分の欲を通したいがために行動する。

 

キツネがきた!と皆で外に出るシーン。

部外者のタケが「ルールルー」と、皆と一緒に調子を合わせる。

つららと会わず戻った草太が、五郎の家を訪れる際にタケと鉢合わせするシーンは腹を抱えて笑ってしまう。

 

小松政夫の、どうしようもなく、ずる賢い演技が最高だ。

絶対必要なキャラ。これもキャスティングの妙だろう。

 

 

 

 

3 喧嘩をして強くなる

 

純は喧嘩をしてから、変わった。

 

つららが失踪し、皆が探し回っている中で、

子供の純(と蛍)は、どうすることもできずにいたが

家にいた寝込んでいる雪子に声をかける。

 

「つららさんが失踪した」と。

雪子本人を責めるでもなく事実を伝える。

 

純なりの勇気、だろう。

 

(困っている)人のために、自分ができることは?

 

大人になるってこういうことだね。