日曜日は片付けの手を休めて
ドラマ『北の国から』を。
今日は第6話。
草太とつららと雪子の三角関係がテーマだ。
別れた妻の妹・雪子が東京から北海道の地に来てしばらく経った。
純と蛍にとって「叔母さん」という立場でありながら、
母親のような役目も果たす。
都会的な洗練されたイメージの雪子だが
北海道の地に馴染んできたようにも見られる。
そんな雪子が手編みのマフラーを編んでいるシーンから物語は始まる。
雪子が編んだマフラーを純と蛍は勘違いして
草太に編んでいるとこっそり本人に打ち明けてしまう。
自惚れから不眠症にまでかかった草太は、
先走って雪子にその想いを伝えることには成功した。
が、
恋人のつららは面白くない。
つららが雪子を訪ねる。
このまま北海道の地に残るかどうか?
雪子に問う、つらら。
草太との関係を絶ってほしい。
東京に戻って欲しい。
自分(つらら)は草太と結婚まで考えている。
と、涙を溜めながら、雪子に打ち明ける。
雪子は静かにその言葉に反論もせず黙って聞いていたが
口を開く。
「わかるわ。
だけど、そうなったらそうなったで、仕方ないんじゃない。
人間同士だもの。
もちろん、今私、草太さんに対して、何の感情も抱いていないわ。
でも、私には私の人生がある。
私がどこで暮らそうと、それは人からとやかく言われることじゃないわ。
違う?」
それから一言も口を聞かないまま、つららは五郎の家を出て行った。
雪子は不倫相手(村井國夫)の存在が忘れられない。
一度は別れたはずの男だったが、
マフラーを編んでいるのも、その断ち切れない思いからだろう。
往々にして人は
「頭じゃわかっているけれど(体や感情がいうことを聞かない)」
ということを口にする。実際そうでもあるだろう。
いいとか悪いとか、いったん置きたい。
不倫だって世間的には良くないことだ。
けれど、良くないことだとわかっていても、心がいうことを聞かないのだ。
人を好きになるのは盲目になることだ。
恋をしたくて「している」のではない。
恋に「落ちてしまう」ものなのだ。
草太、つらら、雪子、どの人間も一方通行だ。
草太は雪子にストレートに。
つららは草太には告げず雪子に間接的に。
雪子は、、。
雪子は周りから、やいのやいの言われ
一旦東京に戻ることにしたこと。
まだ心の中は揺れ動いている。
もっというと、気持ちは草太にも傾き始めたはずだ。
しかし
北海道を離れて冷静になろうとする決断をした。
改めて雪子の理性的な賢さ、芯の強さがこのドラマで良くあらわれている。
周りを見れば、非の打ちどころのない人間っている。
もしかしたらそういった人だって色々抱えていて、
表面には(雪子のように)出さないだけ、こちらからは見えないだけ、なのかもしれない。
白鳥が美しく湖面に浮かんでいても、実際には水面下では足をバタバタしているように。
改めて、倉本作品の一見静かな人々へのリスペクトをする。
私はこれで育ったといっても過言ではない。
日本人のDNAに組み込まれている美しきものとして、なくてはならないものだ。
口数が少なくいつも穏やかな人こそ、本当の意味で強いのではないか。