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2025.05.25ドラマ【北の国から】第6話レビュー/人を好きになること

 

 

日曜日は片付けの手を休めて

ドラマ『北の国から』を。

 

今日は第6話。

草太とつららと雪子の三角関係がテーマだ。

 

別れた妻の妹・雪子が東京から北海道の地に来てしばらく経った。

 

純と蛍にとって「叔母さん」という立場でありながら、

母親のような役目も果たす。

都会的な洗練されたイメージの雪子だが

北海道の地に馴染んできたようにも見られる。

 

 

そんな雪子が手編みのマフラーを編んでいるシーンから物語は始まる。

雪子が編んだマフラーを純と蛍は勘違いして

草太に編んでいるとこっそり本人に打ち明けてしまう。

 

自惚れから不眠症にまでかかった草太は、

先走って雪子にその想いを伝えることには成功した。

が、

恋人のつららは面白くない。

 

つららが雪子を訪ねる。

 

 

 

 

1 名シーン 「私は私の人生がある」

 

このまま北海道の地に残るかどうか?

雪子に問う、つらら。

 

草太との関係を絶ってほしい。

東京に戻って欲しい。

自分(つらら)は草太と結婚まで考えている。

 

と、涙を溜めながら、雪子に打ち明ける。

 

雪子は静かにその言葉に反論もせず黙って聞いていたが

口を開く。

 

「わかるわ。

だけど、そうなったらそうなったで、仕方ないんじゃない。

人間同士だもの。

 

もちろん、今私、草太さんに対して、何の感情も抱いていないわ。

でも、私には私の人生がある。

私がどこで暮らそうと、それは人からとやかく言われることじゃないわ。

 

違う?」

 

それから一言も口を聞かないまま、つららは五郎の家を出て行った。

 

 

 

 

2 人を好きになること

 

雪子は不倫相手(村井國夫)の存在が忘れられない。

一度は別れたはずの男だったが、

マフラーを編んでいるのも、その断ち切れない思いからだろう。

 

往々にして人は

「頭じゃわかっているけれど(体や感情がいうことを聞かない)」

ということを口にする。実際そうでもあるだろう。

 

いいとか悪いとか、いったん置きたい。

不倫だって世間的には良くないことだ。

けれど、良くないことだとわかっていても、心がいうことを聞かないのだ。

 

人を好きになるのは盲目になることだ。

恋をしたくて「している」のではない。

恋に「落ちてしまう」ものなのだ。

 

草太、つらら、雪子、どの人間も一方通行だ。

 

草太は雪子にストレートに。

つららは草太には告げず雪子に間接的に。

雪子は、、。

 

雪子は周りから、やいのやいの言われ

一旦東京に戻ることにしたこと。

 

まだ心の中は揺れ動いている。

もっというと、気持ちは草太にも傾き始めたはずだ。

しかし

北海道を離れて冷静になろうとする決断をした。

 

改めて雪子の理性的な賢さ、芯の強さがこのドラマで良くあらわれている。

 

 

 

 

3 静かな人の賢い選択

 

周りを見れば、非の打ちどころのない人間っている。

 

もしかしたらそういった人だって色々抱えていて、

表面には(雪子のように)出さないだけ、こちらからは見えないだけ、なのかもしれない。

白鳥が美しく湖面に浮かんでいても、実際には水面下では足をバタバタしているように。

 

改めて、倉本作品の一見静かな人々へのリスペクトをする。

 

私はこれで育ったといっても過言ではない。

日本人のDNAに組み込まれている美しきものとして、なくてはならないものだ。

 

 

口数が少なくいつも穏やかな人こそ、本当の意味で強いのではないか。