日曜日は片付けの手を休めて
ドラマ
『北の国から』を
今回スペシャル第二弾、
′84夏のレビュー。
「やっぱり お前はきったねえ奴だな」
純が正吉から何度かことある事に言われる。
丸太小屋が火事になってしまった。
原因は純たちの火の不始末が原因だった。
事情聴取の時に純はわからないフリをする。
対し正吉は「やったかもしれない」と白状する。
中畑の甥の努が遊びに来た時も、田舎暮らしを馬鹿にされ
悔しさから本をこっそり持ち帰る。
草太兄に内緒でイカダに3人(純、正吉、努)乗って流されて壊してしまう。
全て純と正吉の共犯であるにも関わらず、
純は大人の前では知らないフリで、全て正吉のせいにする。
くっついては、喧嘩し。
正吉と純は口を聞かない日が続く。
正吉が母の元に帰る日が近づく。
けれど2人は一言も話す事なく、当日を迎える。
富良野駅のホーム。
五郎や中畑たちに見送られ、笑顔の正吉(良い顔なんだなぁ)
離れた場所から見つめる純。
柱に寄りかかり、お互い背を向けながら、
やっと口を開く。
・・・・・
正吉「あばよ」
純 「あばよ」
正吉「やっと富良野から逃げ出せるぜ」
純「やっと富良野が静かになるぜ」
正吉「あのバカによろしくな」
純「誰だ、あのバカって?」
正吉「努の野郎よ。あいつ見てたら昔のお前思い出したぜ。こっちへ来た頃のもやしっ子みてぇな弱虫のくせに生意気で最悪だったよな。あいつと本当よく似てたぜ」
純「じゃあ今の俺はどうなんだよ」
正吉「かないませんよ。頭良くて。
まぁ、死なないで生きてて下さいよ」
純「おたくもしっかり生きていて下さいよ」
・・・・・
その後、正吉の母みどりが陰からこっそりと姿を表す。
正吉と電車に乗り込み、ドアから手だけ出しバイバイ、ピースをするシーンは印象的(なんだか憎めないんだよなぁ)
シリーズでは正吉の爺さんが「へなまずるい」人として
皆から嫌われるシーンがあった事を思い出した。
酒を飲んだくれ、昔を懐かしむ姿は。新しい時代の人間にとっては鬱陶しいものだったのかもしれない。
かつては仏の杵次、と呼ばれていたにも関わらず、だ。
その娘、みどりも富良野から逃げるように出て行った人物だ。
五郎に自分の借金を負わせ、旭川で水商売でするため
育てられない正吉を五郎に預けてもらっている。
正吉もまた、やんちゃで正月にはこっそり酒(の水割り?)
を飲んでしまうような小学生だった(このシーン大好き)
はたから見たら「しょうもない家族」だ。
けれど、どうだろう。
火事になったのも、努の本を盗んだのも、草太のイカダを壊したのも。
正直に話した。
しかも純の名を一言も言わずに。
′84夏と言えば、のシーン。
正吉を送った際に寄った
閉店間際の薄暗いラーメン店に五郎と蛍と純。
正吉のせいにしていた純が「自分がやった」と涙ながらに
告白する。
態度の悪い店員が食事中の純の丼を下げようとする。
それを見た五郎が
「子供がまだ食っている途中でしょうが!」
と怒り、丼が床に散らばってしまう。
五郎の子供たちへの優しさったら。
かつては。何でも自力で風力発電、水力発電を引いた五郎だったが、火事の件から元気がなくなった事を
純に指摘され
五郎が“弱さ”を受け入れる件も、リアルでものすごくいい。
また、純や蛍だけでなく、一緒に住んでいた正吉もきっちり育てた。
決して疑わず。
よその子だって自分の子と同じように育てた。
中畑や草太も同じ。
綺麗事のストーリーではない。
だからこのドラマが好きなのだ。