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2025.02.01【一生もの】との付き合いかた

 

 

あなたのお宅には「一生もの」はあるだろうか?

 

例えば、ジュエリー、コート、バッグ、など高価なものを指すことが多い。

しかも、同時にそれは手元にあるだけで「使っていないこと」も多い。

 

 

片付けの現場

クラインアント宅でも、こういったものはよく拝見する。

だたこれの難しいところは、ご本人に聞いてみなければ

「一生もの」かどうかわからない。と言うことだ。

 

 

 

 

1 「エゴ丸出し」な価値観

 

以前、クライアント宅の片付けの現場で

クローセットの中から、

突如、ウエディングドレスが現れた。

 

聞くと

自分が結婚式で着たウエディングドレスを、

娘の結婚式に着させようと思って置いてある」

とのこと。

 

お嬢さんはまだ2歳くらいになったばかり。

着たいかどうか、の判断どころか、

結婚式やドレスなどのことはずいぶん先なのに、だ。

 

 

他所の親子の事に口を挟むつもりはないが、、いや、やはり挟む。

 

親の完全なるエゴになっていないか?と正直思った。

 

もちろん仕事なので口には出さない。その時は笑顔で対応した。

成長した本人がどう思うか、想像したらなんとなくわかりそうだ。

 

 

とはいえ、私も待望の?娘(兄三人いるので)を出産した時に

成人式の時に祖母から買ってもらった振袖をやっと着てもらえる

と両手を挙げて喜んだものだ。

 

人のことは言えまい。

着るかどうかの判断は最終的に本人次第だ。

 

 

 

 

2 「経年劣化」という現象

 

その白かったであろうウエディングドレスは

すでに茶色に変色した部分が所々にあり、明らかに劣化していた。

 

劣化を防ぐ唯一の方法は

メンテナンス。これに尽きる。これ以外・これ以上ない。

“こまめなメンテナンス”を怠るとあっという間に劣化する。

 

ドレス、だけではない。

あなたの家にある、全てのモノはメンテナンスが必要、なのだ。

 

ここで言う、メンテナンスは何かというと

換気、クリーニング、物自体のチェック、環境を整える、湿度の調整、など。

めんどくさいことをやって初めて、モノがある程度長持ちできる、というわけだ。

 

しかし、それでも抗えないものがある。

それは「時間」。

時間には逆らえない。

 

経年劣化で、活き活きしているモノって、

せいぜい使い込んだ風合いを楽しむ革製品くらいだろうか。

それでも革だってボロボロになる時が必ずや来る。

 

当たり前のことだが

全てのモノは人間と共に、歳をとっていくのだ。

 

 

 

 

3 「一生もの」との付き合いかた

 

先ほど伝えた、祖母に買ってもらった振袖だが

すでに娘には伝えてあり、

今のところ娘は成人式にその振袖を着ることになっている。

 

その後、の振袖をどうするか?だが、

娘の子供の代までは考えられない。

娘の成人式が終わったら、二束三文だが

リサイクルにでも出そうかと思っている。

 

 

後世まで自分のものの責任は取らせたくない

一生ものは

自分自身の代(振袖は娘の代)で終わらせるのだ。

 

 

ちなみに、5年ほど前に祖母が病気で亡くなった時、

一人暮らしの祖母の家で遺品整理をしようとしたが

何が大切で何を残して、何をこちらが持ち帰っていいのか。

皆目見当つかず、という経験をした。

 

血の繋がった祖母でさえ、

(祖母にとっての)一生もの、大切なもの、がわからなかった。

 

 

ちなみに、私にとっての「一生もの」は無い。

振袖も一生ものでは無い。

これまで「一生もの」として扱ってきたものも無い。

 

 

 

誤解を恐れずに言うと

死んだら何も残らない。

自分の証など大したものはない。

 

いつ死んでもいいように、綺麗さっぱり、身の回りを軽くしておきたいものだ。