heya-koto

BLOG

2021.09.21「まぼろし〜!」な、10年。

 

秋が来れば思い出す。

遥かな草原、高い空。

あの時、君は可愛かった。

 

・・・・・

 

「ぎゃーっっ、、Gが出た!!」「とって」「とって」「早く!」

布団に入ろうとした時、遠くから何ともいえない低い叫び声が。

納戸にあった殺虫剤を手に持ち、子供部屋に。

部屋のもうこれ以上スペースがないまでに端っこに立つ、大きな図体の高校生男子。

ベッド下を指差し「逃げた!」「とって」「きもいーー!!」

 

休日、運良く在宅していた主人にお願いして無事退治。

小指の第一関節もないほどの、ちっさなGです。

先日リビングで出くわした大きなGに比べればこんなものは可愛いもんです。

主人・私だって虫は嫌いです。でも誰が退治する?私でしょ。

嫌いとか、言ってられない。

もう、やるしかない。

 

 

・・・・・

 

子どものために虫とりに行った記憶なぞ、もうどこへやら。

虫をとった嬉しそうな今では見ることのない、写真の中の笑顔。

まぼろしとしか思えません。

あれからちょうど10年。

 

心身ともに逞しくなったのは18歳、16歳、12歳の息子たち(と9歳の娘)、、だけではなく。

母も確実に逞しくなってきています。

母になるってこういうことなんだ、と太い腕を眺めながら思った、夏の終わり。

 

・・・・・

 

あと10年後はどうなるのだろう。

こんなに嫌いな虫をとりに。自分の子どもにせがまれたら

一緒に草原に虫捕りに行くのだろうか?

 

・・・・・

 

子育ての10年は本当に、まぼろし。

 

今しかできないことがあります。

今を大切に。