ミシンが壊れた。
近隣の“ミシンの修理センター”というフランチャイズの店に
休日に車(カーシェア)で夫と二人で壊れたミシンを持参した。
以前も部品の一部が壊れたことがあり、店主が壊れた場所をその場で直してくれた。
今回も部品交換や点検して悪い場所を見たら終わり、
最悪“入院”して1週間後にまた取りに行けば良いだろう。くらいに思っていた。
が、
店主が
「あーー、こりゃ釜がおかしくなっているね」
ボビンの入っている釜が壊れたようだ。
しかも15年前ほど前に購入したので
相当古いでしょう。と私に言った。
直すための部品もその店には在庫がないようで、
本店のある八王子まで配送して、そこでまた修理の必要がある、とのこと。
「入院のさらに入院、2万円かかるよ」
そうか。まあ、仕方ないかな。
じゃ、お願いするか。。
それとも?と思い直し、
「直すよりも買った方が、もしかしてそっちの方が良いかしら?」
店主に聞いた。
すかさず店主が
テーブルの上にあった真新しいミシンを指して、
「これが良いと思う」とセールストークを始めた。
軽快な口調でそれはそれはミシン愛を感じるものだった。
店頭にはずらっと他のミシンが並んでいて、
他のを見て選んでも良さそうだったが、その隙もなさそうだった。
壊れたものと同じメーカーで仕様はほぼ同じ。
さらに15年前のものより、進化していて
作動するための油も不要(使ったことないけれど)
表面の縫い目も目立たないような縫い方もできる。
主に私が使う直線とジグザクと厚手生地の縫い方を披露した。
綺麗な縫い目に
おおっ、と思わず声が出た。
・・・・・
裁縫や洋裁が好きで色々なものを日々ソーイングしているわけではない。
しかも末っ子も春には中学生になるので
ある程度子育てがひと段落したタイミングでもある。
これまでに、子どもたちの幼稚園・保育園や小学生の準備で
絵本バッグ、体操着袋、ランチョンマット、などを4人分作成した。
今後はせいぜい
スラックスやデニムの裾上げや雑巾を縫う。くらいだろう。
使うかな?これまでよりはきっと使わないだろうが
それでも、欲しい。と思った。
ミシンが無くたって
裾上げや雑巾だって、手縫いでもできるし、
リペアショップでお願いすることも可能だ。
けれどこれまでの15年、一緒に過ごしてきたミシンとの思い出がある。
子どもが寝ついた時間帯に眠い目をこすりながら
失敗してやり直したり、作業手順を間違えて凹んだり、針が折れて驚いたり。
一緒に「子育て」した戦友のような存在、大袈裟かもしれないがそう思っている。
・・・・・
「10万円の所、下取り含め諸々のサービスで5万でどうかな」
店主が言った。
10万という値段に驚き
そしてその値引きされた5万という金額にも驚き。
これって安いの、かな?
そもそも値段なんて、あってないようなものなのかもしれない。
5万で新品を購入するか、2万で修理に出すか。
少し迷っている私に
隣で話を聞いていた夫がやっと口を開いた。
「買ったらいいよ。
どうせまた修理をするのなら新しい方が良いでしょう」
背中を押してもらい、購入することになった。
ということで早速
新しいミシンが自宅に私たちに連れられて一緒に帰って来た。
前のミシンだって15年も使っていたのだ。
今後もきっと長い付き合いになるだろう。
これからどんな未来が待っているのか、
それもまた楽しみである。