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2025.05.27世界一貧しい大統領【ホセ・ムヒカ】の哲学

 

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ニュースで

ウルグアイ元大統領(2010〜2015)

ホセ・ムヒカ氏(享年89歳)の訃報が伝えられた。

 

恥ずかしながら

このニュースを見るまで

ホセ・ムヒカ氏のことを知らなかった。

 

しかし、ぼんやりと見ていた

ニュースの内容に釘付けになった。

 

ホセ・ムヒカ氏のメッセージがあまりに強烈だったからだ。

 

 

ムヒカ氏の言葉

 

「貧しさとは少ししか持っていないことではないのだ。無限に欲があり、いくらあっても満足しないことだ」

(国連会議での発言)

 

 

ドキッとした。

そして「世界一貧しい大統領」だった、ムヒカ氏のことを調べた。

 

 

 

 

1 ホセ・ムヒカ氏の暮らし

 

大統領時代から、公邸には住まず、郊外のトタン屋根でできた農場で暮らす。

公用車にも乗らず、自家用車・友人から譲り受けた中古のビートルに自ら運転する。

給料の大半を貧困層・財団に寄付し続けていた。

報酬で農業学校も設立し、子どもたちに農業を教えていたそう。

 

 

消費社会に疑問を呈し、

贅沢感は満たされることはない。

欲求不満に駆られる。と。

 

政治家でありながら

国民と同じ暮らしをするべきだ

(素晴らしい!!!)

質素な暮らしをを追求したリーダーである。

 

 

 

 

2 貧困問題と自由

 

貧しい家庭で生まれ、花売りなどをして生活していたが

のちにキューバ革命に影響を受け左翼ゲリラ組織に入り、軍事政権下では13年ほど収監。

1990年代からは政治家に転身。

 

貧困層に寄付をし続けたことでも有名なムヒカ氏。

自身の経験からの政治活動は国民にとっても多くの功績を残した。

 

「私は質素だが貧しくはない。質素だ。

多くを持たず、必要な物だけで生きている。

物質的な物に囚われ過ぎないようにだ。

それは何故かというと自由な時間を持つためだ」

 

自由とは生きるための時間とも言っている。

 

彼のメッセージでは、命を使うことと時間を使うことを同じ意義として伝えている。

物を買う時、ただお金を使っているのではない。

お金を稼いだ時間と命を使っているのだ。

 

本当の豊かさってなんだろう。

 

 

 

 

3 欲望との付き合い方

 

欲しい物を買って、美味しい物を食べて、いい暮らしをしたい。

 

そのために働いている、と言ってもいいだろう。

嘘偽りない、正直な気持ちだ。

 

ただ、本当にこれで幸せなのか?

とも感じる。

 

旅行も、グルメも、いい見なり、も。

ムヒカ氏の言うとおり、

際限のない物、なのだ。

 

また人と比べて優劣をつけたり

欲求を止めることがなく天井が見えない。

もっともっと、と手を伸ばす。でも届かない。届いてもまた新たな欲が出る。

これがずっと続く、苦しい。

 

そもそも苦しいってことも、気がつかずにいるか?

 

 

人間らしいといえばそうだろう。

仕事だってこれがモチベーションにもなる。

頑張ったご褒美だって、それでも、まだまだ欲しい。

 

 

ドロドロな欲の塊も、持っていてもいいと私は思う。

 

ただ制限やボーダーラインを自分自身で決めないと苦しくなるだろうな。

その自分を律することが本当に難しい。それこそ、そこまで行くのに手が届かない。

 

 

どうしても

仙人や神や仏のような、悟った境地にはなれない。

全くもって、未熟な人間だと自負している。

 

 

最後に

ムヒカ氏の言葉を胸に、欲と戦い共存しながら

家族と目の前の人間だけは大切にしよう。と強く思った。

 

 

時間は有限で、人とのつながりも際限がある。

限りあるものとともに、より良く生きたい。

 

 

ここにホセ・ムヒカ氏のご冥福をお祈りする。