「捨てて」と言っても全く捨てない。捨てようとしない。
家族間での、
片付けの意見のすれ違いはよくある話だ。
捨てない人、捨てられない人、捨てたくない人。
捨てるにも、本人の様々な心の模様、生まれ育った環境、がある。
それでも一緒に住んでいる家族は良い迷惑?だ。
本人の持ち物について
家族であっても、とやかういう筋合いはない。
誰だって人から
自分の事をコントロールされるのは気分の良いものではないだろう。
だから
「これどうする?」と聞く。
指示から質問に。聞くと言っても
決して詰問してはならない。
本当に捨てない人、っている。
この場合は「自分にとって必要な物量」を把握していない事が多い。
例えば
「人から見たら」同じような黒いパンツがお出かけシーンに合わせて7枚くらいある。
大抵は
「2、3本あればいいんじゃない?」って思う。
だが、当の本人は
「何かあった時に履いていくパンツがないと困る」
「予備としていくつも持ちたい」
そもそもいくつも持っていることが不思議でも何でもなく、当然のこと。
と思っていることも多い。
そんな時は
真面目な顔なんかしない。
ヘラヘラ笑いながら
「え〜?本当にこれいるの?」
「体は一つ、なのにねえ」
「こんなに持っていてオシャレじゃないの」
って話しかける。
真面目になれば、なるほど上手くいかない。
言われた時、ハッとして「そうかも」と思う。
相手が気付けばいいが、気が付かない時も当然ある。
片付けの仕事をしているので
捨てられない人には、必ず「捨てないことのデメリット」を伝える。
・棚を増やせば床面積が狭くなり、動きづらくなる。
・物量が多いことで、クリーニングに行く時間・手間などがかかる。
・探し物がいつもあるのは「物量が多いせい」だ。
などなど。
自分にとってのデメリットに気が付き、納得すればいいが、
それでも「捨てない」人には放っておいてもいい。
先ほども言ったが、あなたの持ち物ではないから。
クライアント宅では、実際このような方も結構、いる。
その場合は、
常に衣類は畳んで、しまう。しまいきれないものは床などに置いておく。
引き出しの中はチーク、ブラシ、ペンシルなどに分けてフワッと整頓する。
点在している書類は、紙袋などに入れて、一つにまとめる。
収納や整頓などで綺麗に整えておき、見た目を美しくするが、
ただ「デメリットがある」旨もすでに伝えておいたので
それ以上は「追わない」。
あっさりと淡々と。
変えるべきは相手ではなく、声かけ・心がけ・態度だ。